犬の遠吠えはなぜ?理由とやめさせ方、サイレンに反応する意味をイメージできる記事のメイン画像

愛犬が突然「ワオーン」と遠吠えを始めると、「どうしたの?」「近所迷惑にならないかな」と気になるものです。遠吠えは、犬にとってごく自然な行動で、その多くは祖先から受け継いだ本能やコミュニケーションによるものです。ただ、なかには不安や体調の変化を知らせているケースもあります。このページでは、犬が遠吠えする理由、サイレンに反応する意味、遠吠えしやすい犬種、そして注意したいサインとやめさせ方まで、順番に見ていきます。

犬が遠吠えする理由

犬が遠吠えする理由

遠吠えの背景には、いくつかの気持ちや本能が隠れています。まずは代表的な理由を知っておきましょう。

本能・オオカミの名残

犬の祖先であるオオカミは、仲間との連絡や群れの結束のために遠吠えをしていました。その習性が今の犬にも受け継がれていると考えられています。実際、オオカミに近い原始的な犬種ほど遠吠えに反応しやすい、という研究報告もあります。

仲間とのコミュニケーション

「ここにいるよ」「集まろう」と、遠くの相手に自分の存在を伝えるための遠吠えです。ほかの犬の遠吠えにつられて始まることも多く、犬どうしの会話のようなものと考えられます。

不安・寂しさ(分離不安)

留守番で独りになったときなど、不安や寂しさから遠吠えをすることがあります。飼い主を呼んでいる、心細さを訴えている、という気持ちの表れです。程度が強い場合は、後で触れる「分離不安」の可能性もあります。

要求・縄張りの主張

「かまってほしい」「ごはんがほしい」といった要求や、自分のテリトリーに来た相手への警戒・主張として遠吠えすることも。飼い主が遠吠えのたびに反応していると、要求が強化されてしまうこともあります。

柴田ママ
柴田ママ@shibata_mama
執筆者のひとこと

遠吠えって、ちょっと物悲しくて、それでいて神秘的な響き。でも犬にとっては大昔から続く大切な「会話」なんですよね。むやみにやめさせる前に、まず「何を伝えたいのかな」と考えるようにしています。

サイレンや救急車に反応するのはなぜ?

サイレンや救急車に反応するのはなぜ?

救急車やパトカーのサイレンが聞こえると、つられて遠吠えを始める子は多いもの。この行動には、有力な説があります。

サイレンの高く伸びる音の周波数が、犬の遠吠えの音域に近いため、「仲間が遠くで遠吠えしている」と勘違いして応えている——これが有力な考え方です。犬どうしが呼び合うのと同じ感覚で、サイレンに"返事"をしているわけですね。専門家の間で広く受け入れられている説明ですが、実験で完全に証明されたわけではないので、「そういう可能性が高い」と受け止めておくのがちょうどよいでしょう。特に困った行動ではないため、無理にやめさせる必要はありません。

柴田ママ
柴田ママ@shibata_mama
執筆者のひとこと

救急車が通るたびに歌い出すワンちゃん、なんとも愛嬌があります。「仲間だと思って返事してるのかも」と知ってから、その姿がますます愛おしく見えるようになりました。

遠吠えしやすい犬種・しにくい犬種

遠吠えしやすい犬種・しにくい犬種

遠吠えのしやすさには、犬種による傾向もあります。もちろん個体差が大きいので絶対ではありませんが、目安として知っておくと納得しやすいかもしれません。

傾向代表的な犬種
遠吠えしやすいシベリアンハスキー、アラスカンマラミュート(オオカミに近い)、ビーグル、バセットハウンド(狩猟で声を使う)、柴犬などの日本犬
比較的しにくいグレイハウンド、チワワ、トイプードル など(あくまで傾向)

ハスキーやマラミュートのように祖先の性質を色濃く残す犬種、ビーグルのように狩りで吠えて仲間や人に知らせる役割を担ってきた犬種は、遠吠えが出やすい傾向があります。「よく遠吠えする=問題」ではなく、その子の個性や犬種らしさと捉えてあげるとよいでしょう。

子犬と老犬で違う、遠吠えの背景

子犬と老犬で違う、遠吠えの背景

遠吠えの意味は、年齢によっても少し変わってきます。子犬とシニア犬、それぞれ見ておきましょう。

子犬の遠吠え

母犬やきょうだいと離れた寂しさ、外の音への反応、社会化の途中での不安——子犬の遠吠えには、こうした背景があります。成長とともに落ち着いていくことが多いので、過度に心配せず、安心できる環境を整えてあげましょう。

老犬の遠吠え

一方、シニア犬になってから急に遠吠えが増えた場合は、少し注意が必要です。特に夜間に突然遠吠えするようになったときは、加齢に伴う認知機能の低下(いわゆる認知症)が関係していることもあります。次の章でくわしく触れます。

柴田ママ
柴田ママ@shibata_mama
執筆者のひとこと

同じ遠吠えでも、子犬の「心細いよ〜」と、老犬の「なんだか不安」とでは、意味も対応もまるで違うのです。年齢を頭に置いて見てあげると、その子の気持ちに気づきやすくなります。

注意したい遠吠え|分離不安・認知症のサイン

注意したい遠吠え|分離不安・認知症のサイン

ほとんどの遠吠えは心配いりませんが、なかには専門家への相談が望ましいケースもあります。次のようなサインがないか、確認してみてください。

分離不安が疑われるとき

留守番のあいだ中ずっと鳴き続けている、帰宅すると声が枯れている、遠吠えと一緒に家具を壊す・粗相をするといった様子があれば、強い不安を抱える「分離不安」の可能性があります。軽い場合はしつけや環境の工夫で和らぎますが、程度が強いときは、動物病院や専門家に相談を。状況によっては、行動治療や投薬が助けになることもあります。

認知症が疑われるとき(シニア犬)

高齢の犬で、次のようなサインが遠吠え(夜鳴き)と重なる場合は、認知症を疑って一度受診するのがおすすめです。

  • 夜中に突然遠吠えする、昼夜が逆転している
  • 目的なくウロウロ歩き回る(徘徊)
  • トイレの失敗が増えた
  • 呼びかけへの反応が鈍い、ぼんやりすることが増えた

認知症は早めのケアで進行をゆるやかにできることもあります。「歳のせい」と決めつけず、気になるときは相談してみてください。

遠吠えをやめさせる方法

遠吠えをやめさせる方法

ご近所への配慮などで遠吠えを減らしたいときは、原因に合わせた対応がポイントです。やみくもに叱っても、逆効果になりがちです。

要求の遠吠えには「反応しない」

かまってほしくて遠吠えしているときに応えてしまうと、「鳴けば要求が通る」と学習してしまいます。要求の遠吠えには反応せず、静かになった瞬間をほめる・おやつをあげるようにすると、少しずつ落ち着いていきます。

原因を減らし、満たしてあげる

外の音に反応するなら窓を閉める・BGMで音をやわらげる、寂しさが原因なら散歩や遊びを増やして安心させる、といった対応が有効です。エネルギーが余っていると遠吠えにつながりやすいので、日々の運動をしっかり確保することも大切。叱ったり罰を与えたりするのは、不安を強めてかえって逆効果になるので避けましょう。

そして、分離不安や認知症など病的な背景が疑われる場合は、しつけで抑えようとするより、獣医師に相談して原因そのものへの対応に切り替えることが大切です。

柴田ママ
柴田ママ@shibata_mama
執筆者のひとこと

「静かにして!」とつい言いたくなりますが、叱ると逆効果というのは耳が痛い話。うちでは、鳴きやんで落ち着いた瞬間をすかさずほめるようにしています。地道ですが、これがいちばん効きました。

まとめ

ここまで見てきたように、遠吠えの背景には、オオカミ由来の本能、仲間とのコミュニケーション、不安や寂しさ、要求、縄張りの主張など、さまざまな理由があります。サイレンへの反応は「仲間の声と勘違いしている」という有力な説があり、多くは心配いりません。遠吠えのしやすさには犬種の傾向もあります。一方で、留守番中ずっと鳴く(分離不安)、シニア犬の夜間の遠吠えに徘徊やトイレの失敗が重なる(認知症)といったサインがあれば、専門家に相談を。やめさせたいときは、叱るのではなく、要求には反応せず・原因を減らし・運動で満たす、が基本です。まずは「何を伝えたいのか」に耳を傾けてあげましょう。

「犬の遠吠え」についてのFAQ

Q. 犬はどうして遠吠えをするのですか?

A. 祖先のオオカミから受け継いだ本能や、仲間へ存在を知らせるコミュニケーション、留守番などの不安・寂しさ、要求、縄張りの主張など、理由はさまざまです。どんな場面で遠吠えするかを観察すると、その子が何を伝えたいのかが見えてきます。

Q. サイレンに反応して遠吠えするのはなぜ?やめさせるべき?

A. 有力なのは「サイレンの音を仲間の遠吠えと取り違えて応えている」という説です。犬にとっては自然な反応で、健康や性格の問題ではありません。やめさせなくて大丈夫ですが、長引いてご近所が気になるようなら、窓を閉めて外の音を和らげてあげるとよいでしょう。

Q. 留守番中の遠吠えが心配です。分離不安でしょうか?

A. 一日中鳴いている、帰宅時に声がかれている、留守中に物を壊す・粗相をする、などが重なるなら分離不安が疑われます。軽ければ留守番の練習や環境の工夫で改善しますが、つらそうな様子が強いときは早めに専門家へ。症状によっては、薬とトレーニングを組み合わせた治療が選ばれることもあります。

Q. 年をとった犬が夜に遠吠えするようになりました。

A. 高齢の犬が夜中に遠吠えし、あわせて徘徊・昼夜逆転・粗相などが見られる場合は、認知機能の衰えが関わっているかもしれません。加齢と決めつけず、一度動物病院に相談を。適切なケアを早く始めるほど、穏やかに過ごせる時間を延ばしやすくなります。

本記事は、編集部や飼い主自身の経験・見聞きした情報をもとにまとめたものです。執筆者は獣医師ではありません。ペットの健康・病気・体調に関することは症状や個体差によって適切な対応が異なります。気になる症状がある場合や判断に迷うときは、必ずかかりつけの獣医師にご相談ください。

この記事を書いた人

柴犬のシロと暮らして10年。ペットホテル選びで何度も失敗した経験から、このメディアを立ち上げました。愛犬が安心して過ごせる預け先を、飼い主さんと一緒に探していきます。