犬が排泄後に後ろ足で地面を蹴るのはなぜ?意味と注意点をイメージできる記事のメイン画像

うんちやおしっこのあと、犬が後ろ足で地面をザッザッと蹴る——あの豪快なしぐさ、気になりますよね。「排泄物を隠しているの?」と思われがちですが、実は目的はまったく別。これは自分の存在をアピールする"マーキング"の一種です。この記事で、地面を蹴る理由から、猫の砂かけとの違い、「オスに多い・去勢で減る」の真偽、やめさせるべきかどうかまで、まとめて見ていきましょう。

犬が後ろ足で地面を蹴るのはなぜ?

犬が後ろ足で地面を蹴るのはなぜ?

排泄のあとのあのしぐさ、目的は"縄張りの主張"だと考えられています。しかも、においと見た目の両面から自己アピールする、なかなか手の込んだサインなのです。

足裏のにおいをこすりつけている

犬の肉球には、においを出す汗腺があります(犬の体で数少ない汗をかく場所のひとつです)。地面を蹴ることで、この足裏のにおいを地面にこすりつけ、「ここは自分のテリトリーだよ」と主張しているのです。排泄物のにおいに、自分の足のにおいを重ねて、より存在感を強めているイメージです。

爪あとで"見た目"のアピールもしている

もうひとつが、視覚的なアピール。地面をかいてできる爪あとや掘りあとは、ほかの犬への"目印"になります。においは時間が経つと薄れますが、引っかき跡は残るので、においと見た目のダブルで「自分がここにいた」と伝えている、というわけです。こうした行動は、オオカミなど野生のイヌ科の動物にも見られる、本能的なものです。

柴田ママ
柴田ママ@shibata_mama
執筆者のひとこと

シロもうんちのあとに全力で芝生を蹴りますが、あれが「隠してる」んじゃなくて「自己主張」だと知って笑ってしまいました。誇らしげな後ろ足キック、そう思って見ると余計に愛おしいです。

「うんちを隠している」わけではない|猫との違い

「うんちを隠している」わけではない|猫との違い

「後ろ足でかく=排泄物を隠している」と思っている方は多いですが、これは犬に関しては誤解です。においを"広げて"アピールしているので、むしろ逆。隠すどころか、目立たせているのです。

ここでよく混同されるのが、猫の「砂かけ」です。猫が排泄物に砂をかけるのは、においを"消して"自分の存在を隠すため。天敵に気づかれないようにする、という真逆の目的です。同じ「後ろ足でかく」でも、犬は"アピール"、猫は"隠す"。正反対なのがおもしろいところです。

「オスに多い・去勢すると減る」は本当?

「オスに多い・去勢すると減る」は本当?

この行動について、「オスや去勢していない犬に多い」とよく言われます。傾向としては間違いではないのですが、少し正確に見ておきましょう。

実は、海外の研究では「地面をかくかどうか(する・しない)」の割合は、オスとメスでそれほど大きく変わらないという報告があります。差が出やすいのは"頻度"の部分で、オスのほうがより頻繁にする傾向がある、というのが実際に近いようです。また、おしっこによるマーキングは去勢で減ることがある一方、この地面をかく行動については、去勢の効果ははっきりしていないとする研究もあります。つまり「オスに多い傾向はあるけれど、個体差が大きく、去勢すれば必ず減るとは言い切れない」というのが誠実なところ。あまり性別や去勢だけで決めつけず、その子の個性として捉えるのがよさそうです。

柴田ママ
柴田ママ@shibata_mama
執筆者のひとこと

「オスだから」「去勢したのに」と単純に考えがちですが、実際はもっと個体差があるんですね。断定されている情報も、一歩引いて見ると新しい発見がある。調べていて楽しい部分でした。

やめさせるべき?肉球のケガに注意

やめさせるべき?肉球のケガに注意

結論から言えば、これは自然な本能なので、無理にやめさせる必要は基本的にありません。ただ、状況によっては少し配慮したいこともあります。

気をつけたいのが、肉球や爪のケガです。アスファルトなど硬い地面で勢いよく蹴ると、肉球が擦れて傷ついたり、爪を痛めたりすることがあります。特にシニア犬は肉球が乾燥しやすく、傷みやすいので注意しましょう。散歩のあとは肉球に傷や赤みがないかチェックし、乾燥が気になるなら肉球用のクリームで保湿してあげると安心です。また、公園の芝生を掘り返してしまう・よそのお宅の前で派手にやる、といった場合は、周囲への配慮としてリードでそっと促し、場所を変えてあげるとよいでしょう。行動そのものを叱る必要はありません。

まとめ

犬が排泄後に後ろ足で地面を蹴るのは、足裏のにおいをこすりつけ、爪あとを残して縄張りを主張する"マーキング"です。においと見た目のダブルでアピールする本能的な行動で、排泄物を隠しているわけではありません(においを消して隠す猫の砂かけとは正反対)。「オスや未去勢の犬に多い」という傾向はありますが、実際は個体差が大きく、去勢で必ず減るとも言い切れません。自然な行動なので基本は見守ってOK。ただし、硬い地面での肉球や爪のケガには気をつけ、散歩後のチェックや保湿を。周囲への配慮が必要な場面では、叱らずに場所を変えて促してあげましょう。

「犬 後ろ足 蹴る」についてのFAQ

Q. 犬がうんちの後に後ろ足で地面を蹴るのはなぜですか?

A. 縄張りを主張するマーキングです。肉球にあるにおいを出す腺を地面にこすりつけ、さらに爪あとという"目印"を残して、「ここは自分の場所」とアピールしています。においと見た目の両方で存在を伝える、本能的な行動。排泄物を隠しているのではなく、むしろ目立たせているのがポイントです。

Q. 排泄物を隠そうとしているのではないのですか?

A. いいえ。これは猫のイメージからくる勘違いです。猫が砂をかけるのは、においを消して身を隠すため。犬は真逆で、においをまき散らして「自分がいたぞ」とアピールしています。つまり隠すどころか、思いっきり目立たせている行動なのです。

Q. メスや去勢した犬はしないのですか?

A. メスもしますし、去勢済みの犬もします。「オスに多い」とよく言われますが、"やるかやらないか"の割合は雄も雌もあまり変わらず、違いが出るのは"回数の多さ"だとする研究があります。去勢でこの行動が減るのかも、はっきりしていません。犬種や性別で決めつけず、その子のクセと考えてあげましょう。

Q. やめさせたほうがいいですか?

A. 本能的なしぐさなので、そのままで問題ありません。注意したいのはケガのほう。硬いアスファルトで激しくやると、肉球や爪を痛めることがあります。散歩のあとは、肉球に傷や乾燥がないか見てあげてください。花壇を荒らす・人様の家の前でやる、といった場面だけ、叱らずにその場を離れて切り替えさせればOKです。

本記事は、編集部や飼い主自身の経験・見聞きした情報をもとにまとめたものです。執筆者は獣医師ではありません。ペットの健康・病気・体調に関することは症状や個体差によって適切な対応が異なります。気になる症状がある場合や判断に迷うときは、必ずかかりつけの獣医師にご相談ください。

この記事を書いた人

柴犬のシロと暮らして10年。ペットホテル選びで何度も失敗した経験から、このメディアを立ち上げました。愛犬が安心して過ごせる預け先を、飼い主さんと一緒に探していきます。