犬の呼び戻し(おいで)の教え方|4ステップと来ない時のコツをイメージできる記事のメイン画像

ドッグランで呼んでもなかなか戻ってこない、散歩中にリードが外れてヒヤッとした——そんな経験はありませんか。「おいで」で確実に戻ってくる「呼び戻し」は、愛犬の命を守る、いちばん大切なしつけのひとつです。このページでは、呼び戻しがなぜ重要なのか、呼んでも来ない理由、4ステップの教え方、ごほうびのコツ、やってはいけないこと、そして成犬や保護犬でも教えられるのかまで、順番に解説します。

呼び戻し(おいで)はなぜ大切?

呼び戻し(おいで)はなぜ大切?

「おいで」で必ず戻ってくる——これは芸ではなく、愛犬の安全を守る"命綱"です。次のような場面で、命を守ることに直結します。

  • 脱走・交通事故の防止…リードが外れた・玄関から飛び出した、そんなときに呼び戻せれば道路への飛び出しを防げる
  • 迷子の防止…はぐれそうになっても、呼べば戻ってくる
  • ドッグランでのトラブル回避…他の犬とのいざこざになりそうなとき、すぐ呼び戻せる
  • 拾い食いの中断…危険なものを口にしそうなとき、呼んで引き離せる

さらに、地震や水害などの災害時、パニックで首輪が抜けてしまったようなときにも、呼び戻しができるかどうかが再会を左右します。「うちはお利口だから大丈夫」と思わず、どんな犬にも身につけさせたいしつけです。

柴田ママ
柴田ママ@shibata_mama
執筆者のひとこと

一度、シロのリードの金具が外れたことがあって、心臓が止まりそうでした。とっさに「おいで!」で戻ってくれて事なきを得ましたが、あの時ほど練習しておいてよかったと思ったことはありません。

呼んでも来ないのはなぜ?

呼んでも来ないのはなぜ?

「呼んでも来ない」のには、たいてい理由があります。犬がわがままなわけではありません。

いちばん多いのが、「呼ばれて行ったら嫌なことをされた」という記憶。おいでで呼んで、その後に爪切り・シャンプー・ケージ収容・遊びの終了などをすると、犬は「おいで=嫌なことの合図」と学習し、だんだん来なくなります。ほかにも、掛け声が家族でバラバラ(「おいで」「こっち」「カム」が混在)、飼い主との信頼関係がまだ育っていない、といった原因も。シニア犬では、耳が遠くなって聞こえていないこともあります。まずは「来ない理由」に心当たりがないか、振り返ってみましょう。

呼び戻しの教え方【4ステップ】

呼び戻しの教え方【4ステップ】

いきなり屋外で完成させようとするのは、失敗のもと。簡単な環境から少しずつ難易度を上げるのが成功のコツです。次の4段階で進めます。

ステップ環境・距離ポイント
①室内・近距離静かな室内で2〜3歩の距離名前+「おいで」、来たら即ごほうび
②室内・距離を伸ばす部屋の端から端、別の部屋から成功率が高いまま少しずつ延ばす
③庭・静かな屋外庭や人の少ない場所+通常のリード外の刺激がある中での練習
④誘惑のある屋外公園など+ロングリード(5〜10m)他の犬や匂いがある中で仕上げる

大切なのは、各ステップで「ほぼ確実に来る」状態になってから次へ進むこと。失敗が続く環境は、まだ早いサインです。ひとつ前の段階に戻して、成功体験を積ませてあげましょう。屋外ではロングリードをつけ、いきなりノーリードにしないのが鉄則です。1回5分ほどを、毎日の習慣にするのが上達の近道です。

柴田ママ
柴田ママ@shibata_mama
執筆者のひとこと

つい早く屋外で試したくなりますが、焦って失敗させるのがいちばんの遠回り。「簡単すぎるかな」くらいの環境で"できた!"を積み重ねるのが、結局いちばん早く仕上がると実感しています。

ごほうびと褒め方のコツ

ごほうびと褒め方のコツ

「戻ってきたら良いことがある」と犬に思わせること——これが呼び戻し上達のすべてです。ごほうびの使い方が結果を左右します。

ポイントは、おやつを見せて釣るのではなく、戻ってきてから与えること。見せて呼ぶクセがつくと、おやつがないと来ない犬になってしまいます。ごほうびはおやつだけでなく、うれしそうな声でのたっぷりの褒め、大好きなおもちゃ、「もっと遊んでいいよ」の許可など、その子が喜ぶものを使い分けると効果的です。戻ってきた瞬間に、すかさず・大げさすぎない程度に喜んであげましょう。「おいで=最高に良いこと」の図式ができれば、呼び戻しはぐっと安定します。

絶対にやってはいけないこと

絶対にやってはいけないこと

よかれと思ってやりがちな、でも逆効果な行動があります。次の3つは避けてください。

戻ってきた犬を叱る

いたずらの後などに呼んで、来たとたんに叱るのは絶対にNG。「戻ると叱られる」と学習し、呼んでも来なくなります。どんな状況でも、戻ってきたこと自体は必ず褒めてください。

来ないからと追いかける

来ない犬を追いかけると、犬は「追いかけっこ遊び」と勘違いして、ますます逃げます。逆に、飼い主がしゃがむ・後ろに下がると、犬は寄ってきやすくなります。

号令を何度も連呼する

来ないからと「おいで!おいで!おいで!」と繰り返すと、号令の効き目が薄れ、「一度で来なくていい」と教えてしまいます。呼ぶのは1回。来やすい状況をつくってから、落ち着いて呼びましょう。

柴田ママ
柴田ママ@shibata_mama
執筆者のひとこと

「来た瞬間に叱らない」、これは本当に大事。私も昔、いたずらを見つけて呼んで叱ってしまい、しばらく警戒された苦い経験があります。戻ってきてくれたら、まずは笑顔、が鉄則です。

成犬・保護犬でも教えられる?

成犬・保護犬でも教えられる?

「もう大人だから手遅れ?」と思うかもしれませんが、呼び戻しは成犬からでも十分に教えられます。子犬より少し時間はかかることもありますが、やり方は同じ。焦らず、気長に、成功体験を積み重ねていけば大丈夫です。

特に保護犬など、過去に人にこわい思いをした経験がある子は、まず「この人は安心できる」という信頼関係づくりが先。無理に練習を急がず、名前を呼んで来てくれたらたっぷり褒める、を日常の中で少しずつ。叩いたり大声で叱ったりは信頼を損ねるので絶対に避け、「呼ばれると良いことがある」を根気よく伝えていきましょう。年齢や過去にかかわらず、犬はちゃんと応えてくれます。

まとめ

呼び戻し(おいで)は、脱走・事故・迷子・ドッグランのトラブル、そして災害時まで、愛犬の命を守るいちばん大切なしつけです。呼んでも来ないのは、多くが「呼ばれた先で嫌なことをされた記憶」や掛け声の不統一が原因。教え方は、室内の近距離→距離を伸ばす→静かな屋外→誘惑のある屋外でロングリード、と4段階で少しずつ。ごほうびは見せて釣らず戻ってから与え、戻ったことは必ず褒めます。逆に、来た犬を叱る・追いかける・号令を連呼するのはNG。成犬や保護犬でも、信頼関係を土台に気長に取り組めば必ず身につきます。「おいで=良いこと」を積み重ねて、愛犬との安心なお出かけを楽しみましょう。

「犬 呼び戻し」についてのFAQ

Q. 犬が「おいで」で戻ってきません。どうすればいいですか?

A. まず「呼ばれた先で嫌なこと(爪切り・病院・遊びの終了など)をされた記憶」がないか振り返ってみてください。心当たりがあれば、おいで=良いことに上書きし直します。教え直しは静かな室内の近距離から。来たら必ずごほうびと笑顔で迎え、成功率が高いまま少しずつ距離と難易度を上げていきましょう。掛け声を家族で統一するのも効果的です。

Q. 呼び戻しはどうやって教えればいいですか?

A. ハードルの低い順に4段階です。まず静かな室内で2〜3歩の距離から。次に部屋の端どうしや別室へと距離を広げ、慣れたら庭や人の少ない屋外へ(通常リードを付けて)。最後に公園などの誘惑がある場所で、5〜10mのロングリードを使って仕上げます。各段階で"ほぼ百発百中"になってから次へ進むのがコツ。1日5分をコツコツ、が効きます。

Q. 呼び戻しでやってはいけないことは何ですか?

A. NGは大きく3つ。第一に、戻った犬を叱ること("戻る=嫌なこと"になって逆効果)。第二に、来ないからと追いかけること(犬は追いかけっこと勘違いします。反対にしゃがむと寄ってきます)。第三に、号令の連呼(「おいで」を安売りすると効かなくなる)。呼ぶのは一度、そして戻れたら全力で歓迎、が基本です。

Q. 成犬や保護犬でも呼び戻しは覚えられますか?

A. 問題なく覚えられます。若い犬より少し根気がいる程度で、進め方は同じです。とくに保護犬は、練習より先に"この人は怖くない"という関係づくりから。日常のなかで名前を呼び、来てくれたら大げさに喜ぶ——この積み重ねが土台になります。体罰や大声は逆戻りのもとなので厳禁。焦らなければ、何歳からでも間に合います。

本記事は、編集部や飼い主自身の経験・見聞きした情報をもとにまとめたものです。執筆者は獣医師ではありません。ペットの健康・病気・体調に関することは症状や個体差によって適切な対応が異なります。気になる症状がある場合や判断に迷うときは、必ずかかりつけの獣医師にご相談ください。

この記事を書いた人

柴犬のシロと暮らして10年。ペットホテル選びで何度も失敗した経験から、このメディアを立ち上げました。愛犬が安心して過ごせる預け先を、飼い主さんと一緒に探していきます。