犬がしっぽを追いかけるのはなぜ?遊びと注意サインをイメージできる記事のメイン画像

犬がしっぽを追いかける行動の多くは、子犬の遊びや好奇心によるもので、多くは心配いりません。自分のしっぽを動くおもちゃのように追いかける、子犬によく見られるしぐさです。ですが、頻繁で執拗な場合は、ストレスや体の不調が隠れていることも。犬がしっぽを追いかける理由と、見守ってよい場合・注意したい場合の見分け方を解説します。

犬がしっぽを追いかける主な理由とは

犬がしっぽを追いかける主な理由とは

犬がしっぽを追いかける理由は、遊びや好奇心、退屈、要求、ストレス、体の違和感に大きく分けられます。

  • 子犬の遊び・好奇心…自分のしっぽを、動くおもちゃのように追いかける。多くは、成長とともに自然に減っていきます
  • 退屈・エネルギー発散…運動や刺激が足りず、ひまつぶしに
  • かまってほしい(要求)…しっぽを追うと飼い主が反応してくれる、と学んで繰り返す
  • ストレス・不安…落ち着かない気持ちから、同じ行動を繰り返す(常同行動)
  • お尻やしっぽの違和感…肛門腺がたまっている、皮膚炎、寄生虫、痛みなど、体のトラブル

ポイントは、子犬が、たまに遊びで追う分には問題ないということ。気にかけたいのは、頻繁・執拗に繰り返す場合や、成犬で急に始まった場合です。次で、その見分け方を見ていきましょう。

しっぽ追いは見守ってよい?注意すべき見分け方

しっぽ追いは見守ってよい?注意すべき見分け方

しっぽ追いが「ただの遊び」か「注意サイン」かは、頻度と様子で見分けます。

見守ってよいのは、子犬が、ときどき遊びの一環で追いかけ、すぐに飽きてやめ、ほかのことにも興味を示す場合。これは、健やかな成長の一コマです。一方、注意したいのは、次のような場合。頻繁に・長時間・取りつかれたように繰り返す、追いかけるのに夢中で呼んでも止まらない、生活に支障が出ている、しっぽを噛んで傷つける・出血する、そして成犬になって急に始まった——。こうしたケースは、ストレスによる常同行動(強迫性障害のような状態)や、体の不調のサインのことがあります。「可愛いから」と見過ごさず、頻度と様子を、よく観察してあげてください。しっぽを噛んで傷つけてしまう場合は、犬が自分の足を噛むと同じく、自傷につながることもあります。

柴田ママ
柴田ママ@shibata_mama
執筆者のひとこと

近所の子犬が、しっぽを追ってくるくる回るのを見て、みんなで「可愛いね」と笑っていました。でも、飼い主さんいわく、あまりに何度も続くので念のため病院へ行ったら、肛門腺がたまっていたのだそう。可愛いしぐさの裏に、体のサインが隠れていることもある。あの一件で、「念のため」の大切さを教わりました。

しっぽ追いで考えられる体の不調・病気

しっぽ追いで考えられる体の不調・病気

しっぽ追いの背景に、体の不調が隠れていることがあります。とくに、成犬で急に始まったときは要注意です。

  • お尻・しっぽの違和感…肛門腺がたまる、しっぽや肛門まわりの皮膚炎、ノミ・ダニなどの寄生虫。むずがゆさや違和感から、気にして追いかけます
  • 痛み…しっぽや腰、お尻まわりの痛みが原因のことも
  • 神経の異常(てんかんなど)…まれに、部分的なてんかん発作の一種として、しっぽを追う行動が出ることがあります

これらは、見た目では判断が難しいもの。頻繁なしっぽ追いや、しっぽ・お尻をしきりに気にする様子があれば、まずは体に原因がないか、かかりつけの動物病院で診てもらいましょう。お尻を気にする様子は、犬がお尻を床にこすりつけるの記事も参考になります。体の問題がないとわかってはじめて、ストレスなど心の要因を考えていく、という順序が大切です。

しっぽ追いのやめさせ方|叱らないのが基本

しっぽ追いのやめさせ方|叱らないのが基本

気になるしっぽ追いをやめさせたいときも、叱らないのが基本です。叱ると、かまってほしい子には「反応してもらえた」とごほうびになり、不安が原因の子には、その不安を強めてしまいます。おすすめは、次のような対応です。

  • 散歩や遊び、知育トイなどで、しっかり運動・刺激を与える(退屈からくるしっぽ追いは、これで減ります)
  • 始まりそうなときは、別の遊びや「おすわり」などに気をそらす
  • ストレスの原因(環境の変化・退屈・不安)に、心当たりがあれば取り除く

それでも、執拗なしっぽ追いが続く・悪化する場合は、常同行動として、専門的なケアが必要なこともあります。ドッグトレーナーや、犬の行動を専門に診る獣医師(獣医行動診療科)に相談すると、原因に合った対応が見つかります。強い不安が背景にあるときは、犬の分離不安もあわせて確認しましょう。なお、ブルテリアやジャーマン・シェパードなど、一部の犬種では、しっぽ追いの常同行動が出やすい傾向も知られています。

犬がしっぽを追いかける行動|まとめ

子犬がときどき遊びでしっぽを追いかけるのは、健やかな成長の一コマで、そのほとんどは正常な行動です。理由は、遊び・好奇心、退屈やエネルギー発散、かまってほしい要求、ストレス・不安、そしてお尻やしっぽの違和感など。見守ってよいのは、たまに追って、すぐ飽きる場合。反対に、頻繁・長時間・取りつかれたように繰り返す、しっぽを噛んで傷つける、成犬で急に始まった、というときは注意が必要です。ストレスによる常同行動や、肛門腺・皮膚炎・痛み、まれにてんかんなど、体の不調のサインのことも。まずは体に原因がないか、かかりつけで確認を。やめさせたいときは、叱らずに、運動と刺激で発散させ、気をそらすのが基本です。執拗な場合は、獣医行動診療科などの専門家に相談してあげてください。

「犬 しっぽを追いかける」についてのFAQ

Q. 子犬がしっぽを追いかけてくるくる回ります。大丈夫ですか?

A. 子犬が、ときどき遊びの一環でしっぽを追いかけるのは、ごく自然な行動で、基本的には心配いりません。自分のしっぽを、動くおもちゃのように感じて、追いかけているのです。多くは、成長とともに、ほかの遊びや興味に移って、自然に減っていきます。すぐに飽きてやめ、ほかのことにも興味を示すなら、微笑ましく見守ってあげてください。ただし、あまりに頻繁で、取りつかれたように繰り返す場合は、別の理由も考えられるので、様子を見てあげましょう。

Q. しっぽ追いで、注意したほうがいいのはどんなときですか?

A. 頻繁に・長時間・取りつかれたように繰り返す、夢中で呼んでも止まらない、生活に支障が出ている、しっぽを噛んで傷つける・出血する、そして成犬になって急に始まった、というときは注意が必要です。こうしたケースは、ストレスによる常同行動や、お尻・しっぽの違和感(肛門腺・皮膚炎など)、痛み、まれにてんかんなど、体や心の不調のサインのことがあります。「可愛いしぐさ」と見過ごさず、一度、かかりつけの動物病院で相談してください。

Q. しっぽを追いかけるのは、ストレスが原因ですか?

A. ストレスや不安が原因のこともありますが、それと決めつけるのは禁物です。実は、肛門腺がたまっている、しっぽやお尻の皮膚炎、寄生虫、痛みといった、体の不調から追いかけている場合も少なくありません。ですから、順序としては、まず体に原因がないかを、動物病院で確認するのが基本。体の問題がないとわかってから、ストレスなど心の要因を考えていきます。ストレスが原因の場合は、運動や刺激を増やし、不安のもとを取り除くことが対応の中心になります。

Q. しっぽを追うのをやめさせるには、叱ってもいいですか?

A. 叱るのは避けてください。かまってほしくてしている子には、叱ること自体が「反応してもらえた」というごほうびになり、逆効果です。不安が原因の子には、叱ると不安がさらに強まります。おすすめは、散歩や遊び、知育トイで、しっかり運動と刺激を与えること。退屈からくるしっぽ追いは、これで減ることが多いです。始まりそうなときは、別の遊びに気をそらしましょう。それでも執拗に続くなら、常同行動として、獣医行動診療科などの専門家に相談すると安心です。

本記事は、編集部や飼い主自身の経験・見聞きした情報をもとにまとめたものです。執筆者は獣医師ではありません。ペットの健康・病気・体調に関することは症状や個体差によって適切な対応が異なります。気になる症状がある場合や判断に迷うときは、必ずかかりつけの獣医師にご相談ください。

この記事を書いた人

柴犬のシロと暮らして10年。ペットホテル選びで何度も失敗した経験から、このメディアを立ち上げました。愛犬が安心して過ごせる預け先を、飼い主さんと一緒に探していきます。