犬の下痢はどこまで様子見?緊急度と便の色でわかることをイメージできる記事のメイン画像

犬の下痢は、元気で食欲があり血や嘔吐がなければ様子見でよいことも多いですが、水様便が続く・血便・嘔吐をともなうときは受診が必要です。ケージやトイレをのぞいたら、水のような便が広がっていて、ぎょっとした——そんな経験はありませんか。犬の下痢は、食べ過ぎや、フードの変更、冷えなど、軽い原因のことも多いもの。ですが、水様便が続く、血が混じる、嘔吐をともなう、というときは、様子を見ずに受診が必要です。とくに子犬の下痢は、命に関わることも。犬の下痢の、緊急度の見分けと、便の色でわかること、家庭での対処までまとめました。(※軟便どまりで元気なときは、犬の軟便の記事もあわせてご覧ください。)

犬の下痢はどこまで様子見?緊急度の見分け方

犬の下痢はどこまで様子見?緊急度の見分け方

下痢をしたとき、まず知りたいのが「様子見でよいか、受診か」。次の軸で見分けます。

  • 様子見でよいことが多い…元気・食欲があり、下痢が1回〜数回で、血や嘔吐がない。多くは、1日ほど、消化にやさしい食事と水分で様子を見ます
  • 受診したほうがよい…水様便が続く・止まらない、繰り返す、2日以上続く、血便・黒いタール状の便、嘔吐をともなう、ぐったり・脱水

そして、大切な注意点。子犬(とくに6か月未満)・シニア・小型犬・持病のある子・ワクチン未接種や保護犬は、脱水や低血糖で急変しやすいので、「様子見」より、早めに受診してください。とくに、血便は、1回でも相談を。次に、便の色から、危険度を見てみましょう。

便の色・状態でわかること

便の色・状態でわかること

便の色や、混ざっているものは、体の状態を知る手がかりです。

便の見た目示唆されること・緊急度
黒い・タール状(ねっとり真っ黒)胃や小腸など消化管の上部からの出血→早めに受診(緊急度・高)
赤い血が付着・鮮血大腸〜肛門付近の出血→受診(1回でも相談)
ゼリー状の粘液が混じる大腸の炎症(大腸炎)→繰り返すなら受診
白い粒・米粒状のものが動く寄生虫の可能性→便を持って受診

注目したいのが、黒いタール状の便は、赤い血の便よりも、緊急度が高いということ。これは、消化管の上部で出血し、血が消化されて黒くなったサインで、胃潰瘍や腫瘍などのことがあります。赤い鮮血は、大腸や肛門の近くからの出血。いずれも、便を写真に撮るか、持参して、受診してください。

下痢の原因|急なものと、繰り返すもの

下痢の原因|急なものと、繰り返すもの

下痢の原因は、急に起きるもの(急性)と、長引く・繰り返すもの(慢性)に分けられます。

急性の下痢は、フードの急な変更・食べ過ぎ・拾い食いや誤飲、ストレスや環境の変化、お腹の冷え、感染症(パルボやコロナウイルス、細菌など。子犬やワクチン未接種は重症化)、寄生虫、中毒(玉ねぎ・チョコなどの誤食)などが原因。慢性の下痢(長引く・繰り返す)は、食物アレルギーや不耐性、炎症性腸疾患、膵臓の病気、その他の消化器の病気、寄生虫の持続感染などが考えられます。慢性の下痢は、自宅で治すものではなく、検査で原因を調べる必要があるので、繰り返すときは、動物病院を受診してください。

【緊急】子犬の下痢と、脱水チェック

【緊急】子犬の下痢と、脱水チェック

子犬の下痢は、脱水や低血糖を起こしやすく急変するため、とくに注意が必要です。子犬は、下痢で脱水や低血糖を起こしやすく、急変します。なかでも、ワクチン未接種の子犬の、水様便+嘔吐は、パルボウイルス感染症の疑い。これは、命に関わる病気で、発症から短時間で悪化することもあります。子犬が下痢をして、元気がない・嘔吐をともなう、というときは、様子を見ずに、すぐ受診してください。

あわせて、家庭でできる脱水のチェックを覚えておきましょう。①首や背中の皮膚を、軽くつまんで持ち上げ、離す…すぐ元に戻らず、戻りが遅ければ、脱水のサイン。②歯ぐきを触る…乾いてネバつく・カサつくなら、脱水。③目がくぼむ、元気がない。これらが見られたら、脱水が進んでいるサインで、緊急です。とくに子犬・小型犬・シニアは、進行が速いので、すぐに動物病院へ。

柴田ママ
柴田ママ@shibata_mama
執筆者のひとこと

散歩仲間の子犬が、水っぽい下痢をして、元気もなくなったので、あわてて受診したそうです。幸い軽い胃腸炎で済みましたが、獣医さんに「子犬の水下痢は、パルボのこともあるから、すぐ来てくれてよかった」と言われたとか。子犬の下痢は、大人の犬とは危険度が違うんだと、聞いてぞっとしました。

家庭での対処と、やってはいけないこと

家庭での対処と、やってはいけないこと

家庭での対処ができるのは、元気があって、軽い下痢のときで、次のケアで様子を見られます。

  • 水分・脱水対策を最優先に…少量ずつ、こまめに水を与えます
  • 消化にやさしい食事を、少量から…塩分なしのおかゆ、脂を除いてゆでた鶏むね肉、蒸したかぼちゃなど
  • 便を写真で記録…色・形・血や粘液の有無・回数・時刻を。誤飲の心当たりもメモして、受診時に
  • フードの変更は、数日〜1週間かけてゆっくり

「お腹を休める絶食」は、必ず獣医師に相談してから。成犬で軽症なら短時間の絶食もありますが、子犬・小型犬・持病のある子には、絶食させないでください(低血糖の危険)。そして、絶対にやってはいけないのが、人間用の下痢止めや整腸剤を、自己判断で使うこと(用量が合わず、中毒や悪化の危険)。また、「元気だから」と2日以上放置する、誤飲の可能性があるのに様子見だけ、というのもNGです。水様便が続く、血便、嘔吐、ぐったり、というときは、受診してください。

まとめ

犬の下痢は、元気・食欲があり、1回〜数回で血や嘔吐がなければ、様子見でよいことが多いですが、水様便が続く、繰り返す、血便・黒いタール状の便、嘔吐、ぐったり・脱水をともなうときは、受診が必要です。子犬・シニア・小型犬・持病のある子は、急変しやすいので早めに。便の色では、黒いタール状(消化管上部の出血)が、赤い血より緊急度が高いことを覚えておきましょう。原因は、急性なら食事・拾い食い・感染・寄生虫・中毒、慢性ならアレルギーや腸の病気など。とくに子犬の水様便+嘔吐は、命に関わるパルボの疑いも。脱水は、皮膚の戻りや歯ぐきの乾きでチェックを。家庭では、水分と消化にやさしい食事、便の記録を。人間用の下痢止めの自己判断使用と、子犬の絶食は、避けてください。

「犬 下痢」についてのFAQ

Q. 犬が下痢をしました。何日くらい様子を見ていいですか?

A. 元気・食欲があり、下痢が1回〜数回で、血や嘔吐がないなら、1日ほど、消化にやさしい食事と水分で、様子を見てよいことが多いです。ただし、水様便が続く・止まらない、2日以上続く、繰り返す、血便や黒いタール状の便が出る、嘔吐をともなう、ぐったりしている、というときは、様子を見ずに受診してください。そして、子犬(とくに6か月未満)・シニア・小型犬・持病のある子・ワクチン未接種の子は、脱水や低血糖で急変しやすいので、早めの受診を。血便は、1回でも相談しましょう。受診のときは、便を写真に撮るか持参すると、診断に役立ちます。

Q. 犬に、人間用の下痢止めを飲ませてもいいですか?

A. 飲ませないでください。人間用の下痢止めや整腸剤は、犬には用量や成分が合わず、かえって体調を悪化させたり、中毒を起こしたりする危険があります。とくに、下痢は、体が悪いものを外に出そうとしている反応のこともあり、無理に止めることが、よくない場合もあります。家庭でできるのは、水分をこまめにとらせて脱水を防ぐこと、消化にやさしい食事(おかゆ、脂を除いたゆで鶏など)を少量与えること。そして、便の様子を記録することです。薬が必要かどうかは、動物病院で、原因を調べたうえで、獣医師が判断します。自己判断で市販薬を使わず、症状が続く・重いときは、受診してください。

Q. 子犬が下痢をしています。大人の犬と違いますか?

A. はい、子犬の下痢は、大人の犬より、ずっと注意が必要です。子犬は体が小さく、下痢で脱水や低血糖を起こしやすく、短時間で急変することがあります。とくに、ワクチンをまだ済ませていない子犬の、水様便+嘔吐は、パルボウイルス感染症の疑いがあり、これは命に関わる病気です。ですから、子犬が下痢をして、元気がない、嘔吐をともなう、水のような便が続く、というときは、様子を見ずに、すぐに動物病院を受診してください。また、子犬に「お腹を休める絶食」をさせるのは、低血糖の危険があるのでNG。大人の犬の「1日様子見」の感覚を、子犬にあてはめないよう、注意しましょう。

Q. 下痢のとき、脱水しているか、家で分かりますか?

A. 目安になるチェックがあります。ひとつめは、首や背中の皮膚を、軽くつまんで持ち上げて、離すこと。健康なら、すぐ元に戻りますが、戻りが遅い(皮膚がテントのように残る)と、脱水のサインです。ふたつめは、歯ぐきを触ってみること。乾いてネバつく、カサカサするなら、脱水が疑われます。ほかにも、目がくぼむ、ぐったりして元気がない、なども脱水のサイン。これらが見られたら、脱水が進んでいて、緊急です。とくに、子犬・小型犬・シニアは、脱水の進行が速いので、すぐに動物病院を受診してください。水を飲めないほど弱っているときは、一刻を争います。

本記事は、編集部や飼い主自身の経験・見聞きした情報をもとにまとめたものです。執筆者は獣医師ではありません。ペットの健康・病気・体調に関することは症状や個体差によって適切な対応が異なります。気になる症状がある場合や判断に迷うときは、必ずかかりつけの獣医師にご相談ください。

この記事を書いた人

柴犬のシロと暮らして10年。ペットホテル選びで何度も失敗した経験から、このメディアを立ち上げました。愛犬が安心して過ごせる預け先を、飼い主さんと一緒に探していきます。