犬がごはんを食べないのはなぜ?原因と受診の見極めをイメージできる記事のメイン画像

犬がごはんを食べない時は、まず「元気があるか」「ほかの症状はないか」「どのくらい食べていないか」を見て、様子見でよいか受診すべきかを見極めることが大切です。いつものごはんを、愛犬がふいと残す。「どこか悪いの?」「わがまま?」と、心配になりますよね。原因は、フードの飽きや、暑さ、ストレスといった軽いものから、口や内臓の病気まで、さまざま。犬の食欲不振の原因と、見分け方、受診の目安を解説します。

犬がごはんを食べない時の緊急度チェック

犬がごはんを食べない時の緊急度チェック

犬がごはんを食べない時は、あわてず、次の3つのポイントを確認して緊急度を見極めましょう。この掛け合わせで、緊急度が変わります。

  • ①元気があるか…いつも通り元気か、それとも、ぐったりしているか
  • ②ほかの症状はないか…嘔吐・下痢・発熱・震え・痛がる・水も飲まない、などをともなっていないか
  • ③どのくらい食べていないか(+年齢)…成犬で1〜2日か、それ以上か。子犬やシニア、持病のある子は、半日〜1日でも早めに

目安として、「元気があって、ほかの症状もなく、成犬で1〜2日以内」なら、まず様子を見つつ工夫してよいことが多いです。逆に、ぐったりしている、ほかの症状がある、食べない時間が長い、子犬・シニア——このどれか一つでも当てはまれば、受診を考えてください。とくに次に説明するとおり、子犬は時間単位で危険なこともあります。

食べない原因|「病気以外」と「病気」の見分け方

食べない原因|「病気以外」と「病気」の見分け方

食べない原因は、病気以外(生理的・環境的)なものと、病気に分けると、見分けやすくなります。

原因見分けの手がかり
わがまま・偏食(おやつ過多)元気は良好。おやつや手からなら食べる・ドライだけ残す
フードの飽き・劣化・変更フード変更や開封からの時間と一致
暑さ・夏バテ・ストレス夏場や環境の変化と一致。涼しい時間は食べる
口・歯のトラブル食べたそうにするのに食べない・口を気にする・口臭
内臓や消化器の病気・感染・中毒嘔吐下痢・多飲多尿・元気消失・誤食の心当たり

病気以外では、わがまま・偏食(おやつの与えすぎ、トッピングの習慣)、フードの飽き・劣化・変更、ストレスや環境の変化、暑さ・夏バテ、運動不足、発情期、加齢、避妊去勢の後などがあります。一方、病気では、口や歯のトラブル(歯周病・口内炎)、胃腸炎や膵炎・異物・腫瘍などの消化器の病気、感染症、腎臓・肝臓など内臓の病気、発熱や痛み、中毒など。とくに見落としがちなのが、「食べたそうに近づくのに、食べない・食べづらそう」というサイン。これは、口の中の痛み(歯周病など)が隠れていることがあります。

【緊急】すぐ受診すべきサイン|子犬は時間単位で注意

【緊急】すぐ受診すべきサイン|子犬は時間単位で注意

すぐに受診すべきサインは、次のとおりです。当てはまるものがあれば、様子を見ずに、動物病院を受診してください。

  • 元気がなく、ぐったりしている
  • 食べない状態が続く(成犬で1〜2日以上/子犬・シニア・持病ありは半日〜1日でも早めに)
  • 嘔吐や下痢をともなう(とくに繰り返す)、水も飲まない
  • 震える・痛がる・触られるのを嫌がる、体重が急に減った
  • 誤飲や中毒の心当たりがある、シニアの急な食欲不振

とくに強調したいのが、子犬は、低血糖で急変しやすいということ。とくに超小型犬の子犬は、食べない時間が半日ほど続くだけで、血糖が下がって、ふらつき・ぐったり・けいれん・体の冷えを起こすことがあります。これは一刻を争います。子犬が食べず、元気もない、というときは、時間単位で考え、すぐに受診してください。成犬の「1〜2日」という目安を、子犬にあてはめないよう、注意しましょう。

柴田ママ
柴田ママ@shibata_mama
執筆者のひとこと

散歩仲間の犬が、ある日ごはんを残して、でも元気だからと様子を見ていたら、じつは奥歯の歯周病で、噛むと痛かったそうです。「食べたそうにするのに食べない」のがサインだったと。ふやかしたフードにしつつ受診して、治療でまた食べるように。元気そうでも、口の中は見落としがちなんだと思いました。

家庭でできる工夫と、やってはいけないこと

家庭でできる工夫と、やってはいけないこと

家庭では、元気があって、ほかの症状もないなら、次のような工夫で、食欲を促してみましょう。

  • フードを温める・ふやかす…においが立って、食欲を刺激します
  • 少量のトッピング…ゆでた肉や、犬用スープを、少しだけ加えて、スイッチを入れる
  • 食事の環境を整える…静かな場所、食器の高さや素材を見直す
  • 運動で空腹感をつくる…散歩や遊びで、お腹をすかせる
  • おやつを減らして、メリハリを…時間を決めて出し、食べなければ下げる。フードは新鮮なものを

一方、やってはいけないのが、人の食べ物で釣り続ける(偏食や肥満、中毒のもと)、味を濃くする、おやつで代用し続けること。そして、無理やり口に押し込んで食べさせるのもNG。誤って気管に入る危険や、食事そのものを嫌いになることも。とくに、子犬・シニア・持病のある子に、「しつけのため」と食事を抜くのは、避けてください。工夫しても食べない、元気がない、というときは、受診しましょう。

まとめ

結論として、犬がごはんを食べないときは、まず「元気があるか」「ほかの症状はないか」「どのくらい食べていないか(+年齢)」の3つで、緊急度を見極めます。元気があって、ほかの症状もなく、成犬で1〜2日以内なら、工夫しつつ様子見でよいことが多い一方、ぐったり・ほかの症状・長い絶食・子犬やシニア、のどれかがあれば受診を。原因は、わがままや偏食、フードの飽き、暑さ、ストレスといった病気以外のものと、口や歯・消化器・内臓の病気や中毒などに分かれます。「食べたそうなのに食べない」は、口の痛みのサインのことも。とくに子犬は低血糖で時間単位で危険なので、食べず元気もないときは、すぐ受診を。家庭では、温める・ふやかす・環境を整えるなどの工夫を。人の食べ物で釣る・無理強いは避けてください。

「犬 ごはん 食べない」についてのFAQ

Q. 犬がごはんを食べません。何日くらい様子を見ていいですか?

A. その子の状態によります。目安として、元気があって、嘔吐や下痢などほかの症状もなく、水は飲んでいる成犬なら、1〜2日を目安に、工夫しながら様子を見てよいことが多いです。ただし、それを超えて食べない、元気がない、ほかの症状がある、というときは受診を。そして、子犬・シニア・持病のある子は、半日〜1日でも早めに受診してください。とくに子犬は、低血糖で急変しやすく、食べず元気もないときは、時間単位で危険なこともあります。「元気があるか」「ほかの症状はないか」を、あわせて見てあげてください。迷うときは、動物病院に電話で相談すると安心です。

Q. 元気はあるのに、ごはんだけ食べません。病気ですか?

A. 元気があって、ほかの症状もない場合は、わがままや偏食、フードの飽きや変更、暑さ・夏バテ、軽いストレスなど、病気以外の原因のことが多いです。とくに、おやつや人の食べ物、手からなら食べる、ドライフードだけ残す、という場合は、偏食の可能性があります。まずは、フードを温める・ふやかす、おやつを控えてメリハリをつける、といった工夫を。ただし、油断は禁物で、食べない状態が1〜2日続く、水も飲まない、というときは、元気があっても受診してください。また、「食べたそうにするのに食べない」ときは、口の中の痛み(歯周病など)が隠れていることもあるので、注意しましょう。

Q. 食べさせようと、人の食べ物をあげてもいいですか?

A. おすすめできません。その場は食べても、「待っていれば、もっとおいしいものが出てくる」と学習して、ますますドッグフードを食べなくなり、偏食が進みます。また、人の食べ物は、味が濃すぎたり、犬に有害なもの(玉ねぎ・チョコなど)が含まれていたり、肥満のもとになったりします。食欲を促すなら、フードを温める・ふやかしてにおいを立てる、犬用のトッピングを少量加える、といった、フードの範囲での工夫を。無理やり口に押し込むのも、誤嚥や、食事嫌いにつながるのでやめましょう。工夫しても食べない、元気がない、というときは、動物病院を受診してください。

Q. シニア犬の食欲が、だんだん落ちてきました。年のせいですか?

A. 加齢によって、嗅覚や消化力が衰え、食欲が少しずつ落ちてくることは、たしかにあります。ただし、「年のせい」と決めつけるのは禁物です。シニア犬は、腎臓や肝臓、心臓などの内臓の病気や、歯周病による口の痛み、腫瘍など、病気が隠れていることも多いのです。とくに、急に食べなくなった、体重が減ってきた、多飲多尿、嘔吐や下痢、元気の低下、といったサインをともなうときは、注意が必要です。シニアの食欲不振は、半日〜1日でも早めに、動物病院で相談してください。定期的な健康診断で、早めに変化に気づくことも大切です。食べやすいよう、フードを温める・ふやかす工夫もしてあげましょう。

本記事は、編集部や飼い主自身の経験・見聞きした情報をもとにまとめたものです。執筆者は獣医師ではありません。ペットの健康・病気・体調に関することは症状や個体差によって適切な対応が異なります。気になる症状がある場合や判断に迷うときは、必ずかかりつけの獣医師にご相談ください。

この記事を書いた人

柴犬のシロと暮らして10年。ペットホテル選びで何度も失敗した経験から、このメディアを立ち上げました。愛犬が安心して過ごせる預け先を、飼い主さんと一緒に探していきます。