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犬の軟便は、フードの変更や食べ過ぎ、ストレスなど、ちょっとしたことでも起こり、元気なら一時的なことも多いものです。「下痢ではないけれど、いつもより柔らかい」というのは、よくある心配。ただ、続くときや、血が混じるとき、子犬・シニアのときは、注意が必要です。犬の軟便の原因と、便の見分け方、受診の目安を解説します。
犬の軟便・下痢・正常なうんちの見分け方
犬の軟便・下痢・正常なうんちを見分ける目安は、「つまんだときの形」。まず、愛犬のうんちがどの状態かを見分けましょう。
- 理想的なうんち…ほどよい硬さで、ティッシュや袋でつまむと形が残って持ち上げられ、地面に跡がほとんど残らない。バナナのような形
- 軟便…形はあるが柔らかく、つまむと崩れる、地面にベチャッと跡が残る。水分がやや多い状態
- 下痢(水様便)…形が保てず、泥状〜水のよう。地面に広がる
「つまんで形が残り、跡が少し残る程度」までが、正常の範囲。それより柔らかく崩れるのが軟便、形が保てないのが下痢、とイメージすると分かりやすいでしょう。うんちの回数は、1日1〜3回ほどが目安。軟便でも、元気・食欲があり、1回きりなら、まずは食事や生活を振り返りつつ、様子を見てよいことが多いです。反対に、うんちが硬くて出にくいときは、犬の便秘で受診すべきサインもあわせて確認しましょう。
犬の軟便の主な原因と見分けの手がかり
犬の軟便の原因は、フードの変更・食べ過ぎ・拾い食い・ストレス・お腹の冷えなど、実にさまざま。心当たりがないか、振り返ってみましょう。
- フードの変更・切り替え…数日以内にフードやおやつを変えた。軟便の、とても多い原因です
- 食べ過ぎ・脂っこいもの・人の食べ物…量やおやつが増えた後に
- 拾い食い…散歩中に何か口にした後、単発で(犬の拾い食いをやめさせる方法)
- ストレス・環境変化…引っ越し、来客、留守番、ペットホテル、季節の変わり目など、出来事と時期が一致する
- お腹の冷え…寒暖差、冷房、冷たい水の飲み過ぎ
- 寄生虫・感染、アレルギー、消化器の病気…繰り返す・続く、体重が減る、皮膚のかゆみをともなう、など
見分けの軸は、「急に起きたことか・繰り返しているか」「単発か・続くか」「食事や出来事に心当たりがあるか」「元気・食欲・嘔吐・発熱はどうか」。心当たりがあって、ほかは元気なら一時的なことが多く、繰り返す・続く・全身の症状をともなうときは、注意が必要です。
犬の便の色・内容でわかるサイン
便の色や、混ざっているものも、犬の健康状態を知る大切なサイン。
| 便の色・内容 | 対応の目安 |
|---|---|
| 黄色〜茶褐色 | 正常の範囲。続くなら経過を観察 |
| 黒い・タール状 | 消化管の上部の出血の可能性→早めに受診 |
| 赤い血が混じる(鮮血) | 大腸や肛門からの出血→続く・量が多ければ受診 |
| ゼリー状の粘液がつく | 大腸の炎症のサイン→繰り返すなら受診 |
| 白い粒・そうめん状のもの | 寄生虫の可能性→便を持って受診 |
とくに、黒いタール状の便や、血が混じる便は、消化管の出血のサインのことがあり、注意が必要です。便に、白い動くものや粒が見えるときは、寄生虫の可能性があるので、便を持って(または写真に撮って)受診しましょう。色や内容を、片づける前に、ちょっと見てあげてください。

ご近所さんの犬が、フードを新しいものに変えた直後から軟便になったそうです。獣医さんに相談したら「切り替えは1週間かけて、少しずつ混ぜてね」と言われ、ゆっくり移行したら、ちゃんと落ち着いたとのこと。よかれと思って一気に変えると、お腹がびっくりしてしまうんですね。わが家も気をつけようと思いました。
犬の軟便で受診したい目安と家庭の対応
犬の軟便で受診を急ぎたいのは、血便や黒色便、嘔吐、ぐったり、脱水などのサインがあるとき。次のようなサインがあれば、早めに動物病院へ。
- 黒いタール状の便・血便が、続く/量が多い
- 嘔吐をともなう、繰り返す
- 元気・食欲がない、ぐったりしている
- 脱水のサイン(首の皮の戻りが遅い、歯ぐきが乾く)
- 水様便が続く、軟便が数日〜長く続く・繰り返す
- 子犬・シニア・持病がある・ワクチン歴が不明の子は、軽く見えても早めに(急に悪化・脱水しやすい)
家庭でできることとしては、まず消化にやさしい食事(脂っこいもの・人の食べ物・急なおやつは控える)と、水分をしっかりとらせること。フードを変えるときは、5〜7日ほどかけて、今までのフードに少しずつ混ぜて、ゆっくり移行しましょう。急な切り替えは、軟便のもとです。なお、「お腹を休めるための絶食」は、自己判断でやらないこと。とくに子犬は、絶食で低血糖を起こす危険があるので、絶食させないでください。絶食の可否や時間は、必ず獣医師に相談を。そして、便の色・形・回数を、写真に撮って記録しておくと、受診のときに役立ちます。
犬の軟便の原因と受診の目安まとめ
犬の軟便でまず大事なのは、状態の見分け。「つまんで形が残り、跡が少し残る程度」までが正常の範囲で、それより柔らかく崩れるのが軟便、形が保てないのが下痢です。軟便の原因は、フードの変更、食べ過ぎ、拾い食い、ストレス、お腹の冷えなどが多く、元気で1回きりなら、様子を見てよいことも。ただし、繰り返す・続く、体重が減る、といったときは、寄生虫や病気のことも。便の色・内容も大切で、黒いタール状や血便は消化管の出血、白い粒は寄生虫のサインのことがあります。元気食欲がない、嘔吐や脱水をともなう、血便・黒色便、水様便が続く、というときは受診してください。とくに子犬・シニアは早めに。家庭では、消化にやさしい食事、水分、フードは5〜7日かけて切り替えを。自己判断の絶食は避け、とくに子犬は絶食させないでください。
犬の軟便についてのよくある質問
Q. 犬の軟便は、何日くらい様子を見ていいですか?
A. 元気・食欲があり、1回きりで、フードの変更や食べ過ぎなど心当たりがあるなら、まず1日ほど、消化にやさしい食事と水分で様子を見てよいことが多いです。多くは、一時的に落ち着きます。ただし、軟便が数日以上続く、治っても繰り返す、というときは、動物病院で相談を。また、元気や食欲がない、嘔吐をともなう、血便や黒いタール状の便が出る、水様便が続く、脱水のサインがある、というときは、様子を見ずに受診してください。とくに子犬・シニア・持病のある子は、急に悪化しやすいので、早めの受診が安心です。
Q. フードを変えたら軟便になりました。どうすれば?
A. フードの急な切り替えは、軟便のとても多い原因です。お腹が新しいフードに慣れていないために起こります。対策は、切り替えを「ゆっくり」行うこと。新しいフードは、5〜7日ほどかけて、今までのフードに少しずつ混ぜ、その割合を、日を追って増やしていきます。こうすると、お腹が慣れて、軟便になりにくくなります。すでに軟便が出ている場合は、いったん元のフードに戻して落ち着かせ、あらためてゆっくり移行するのも手です。それでも軟便が続く、元気がない、というときは、フードが合っていない可能性や、別の原因も考えられるので、受診してください。
Q. 軟便のとき、絶食させたほうがいいですか?
A. 自己判断での絶食は、おすすめできません。「お腹を休めるために半日〜1日絶食する」という方法はありますが、実施の可否や時間は、その子の状態によるため、必ず獣医師に相談してから行ってください。とくに子犬は、絶食すると低血糖を起こす危険があるので、絶食させてはいけません。シニアや持病のある子も注意が必要です。基本は、絶食よりも、消化にやさしい食事を少量ずつと、水分をしっかりとらせること。脱水を防ぐことが大切です。軟便が続く、元気がない、水を飲めない・飲まない、というときは、動物病院を受診しましょう。
Q. 便の色が黒い/血が混じっています。大丈夫でしょうか?
A. 注意が必要です。黒いタール状の便は、胃や小腸など、消化管の上部からの出血が、便に混じって黒くなったサインのことがあります。赤い血が混じる場合は、大腸や肛門の近くからの出血が考えられます。少量で単発なら、一時的なこともありますが、続く、量が多い、元気や食欲がない、嘔吐をともなう、というときは、早めに動物病院を受診してください。受診のときは、その便を持参するか、写真に撮っておくと、獣医師の診断に役立ちます。便の色は、健康の大切なサインなので、片づける前に、確認する習慣をつけましょう。
本記事は、編集部や飼い主自身の経験・見聞きした情報をもとにまとめたものです。執筆者は獣医師ではありません。ペットの健康・病気・体調に関することは症状や個体差によって適切な対応が異なります。気になる症状がある場合や判断に迷うときは、必ずかかりつけの獣医師にご相談ください。