犬の鼻が乾くのは病気?俗説の真相と注意したいサインをイメージできる記事のメイン画像

犬の鼻が乾くのは病気ではなく、健康な犬でも寝起きや乾燥した室内では乾くのが普通で、乾いていても元気で食欲があれば、多くは心配いりません。「犬の鼻が乾いていたら、病気や発熱のサイン」——そんな話を、聞いたことはありませんか。じつは、これは正しくありません。健康な犬でも、鼻は一日のなかで、乾いたり湿ったりを繰り返しています。乾いているだけで、あわてる必要はないのです。とはいえ、なかには注意したい乾き方も。犬の鼻が乾く理由と、俗説の真相、心配な場合の見分け方を解説します。

「犬の鼻が乾く=病気」という誤解

「犬の鼻が乾く=病気」という誤解

犬の鼻が乾くこと自体は病気のサインではなく、「鼻が乾いている=体調が悪い・熱がある」というのは、俗説(言い伝え)で、正しくありません。健康な犬でも、鼻の状態は、一日のなかで変わります。とくに、次のような場面では、乾きやすくなります。

  • 寝ているとき・寝起き…眠っている間は、鼻を舐めないので乾きます。起きてしばらくすると、また湿ってきます
  • シニア犬…年齢とともに、鼻が乾きやすくなる傾向があります
  • 室内が乾燥しているとき…冬や、エアコン・暖房で、空気が乾いていると
  • 運動のあと、緊張しているとき

そもそも、犬の鼻が湿っているのは、においの分子をキャッチして嗅覚を高めたり、体温を調節したりするため。舐めたり、分泌液で湿ったりしています。ですから、鼻が乾いていても、元気で食欲があれば、多くは心配いりません。

鼻の「乾き・湿り」の一日の変化

鼻の「乾き・湿り」の一日の変化

鼻の乾き・湿りは、一日のなかで、寝起き・活動中・運動後などで、次のように変化します。

  • 寝起き…眠っている間に乾いて、カサッとしている
  • 活動中…舐めたり、分泌液が出たりで、しっとり湿る
  • 運動の直後…体温が上がって、一時的に乾くことも
  • リラックスしているとき…ふだんの、しっとりした状態

このように、乾いている瞬間をとらえて「病気かも」と心配する必要はありません。大切なのは、「乾いているか」より、「元気・食欲があるか」「ほかにおかしなところはないか」。鼻の乾き具合だけで、一喜一憂しなくて大丈夫です。

「鼻で熱は測れない」|正しい体調の見方

「鼻で熱は測れない」|正しい体調の見方

鼻の乾き具合では、発熱はわかりません。「鼻が乾いている=熱がある」と思われがちですが、体温は、鼻ではなく、動物病院では直腸(お尻)や耳で測ります(犬の平熱は、およそ38〜39度)。

では、体調不良や発熱を、どう見分けるか。鼻ではなく、次のようなサインを見てあげてください。元気がない・ぐったりしている、食欲がない、呼吸が速い・荒い、歯ぐきの色がいつもと違う(白っぽい・赤すぎる)、体や耳が、いつもより熱い感じがする、震えている——。こうした様子があれば、体調不良の可能性があります。「鼻が乾いているかどうか」より、こうした全身の様子のほうが、ずっと確かな手がかりです。発熱が疑われるときは、動物病院で、正しく体温を測ってもらいましょう。

注意したい「鼻の乾き」|受診の目安

注意したい「鼻の乾き」|受診の目安

ほとんどの鼻の乾きは心配いりませんが、次のような場合は、注意が必要です。動物病院を受診してください。

  • 乾き+ひび割れ・出血・かさぶた・皮むけがある
  • 鼻の先が、ポロポロと厚く硬くなる(角化の異常)
  • 鼻水(とくに膿のような)や、くしゃみ、鼻血をともなう
  • 鼻の左右で、様子が違う(片方だけ症状がある)
  • 脱水のサイン(首の皮をつまむと戻りが遅い、歯ぐきが乾く)をともなう
  • 元気・食欲の低下など、全身の症状をともなう

これらは、鼻の炎症や、自己免疫の病気、日光による炎症、脱水、感染症などのサインのことがあります。単なる「乾き」ではなく、ひび割れや出血、ほかの症状をともなうときは、受診を。家庭でのケアとしては、乾燥が気になるなら、舐めても安全な犬用の鼻・肉球バーム(保湿剤)を薄く塗る、お部屋を加湿する、鼻を清潔に保つ、水分をしっかりとらせる、といったことが役立ちます。肉球も乾燥しやすい部分なので、肉球ケアとあわせて保湿してあげるとよいでしょう。鼻水やくしゃみが続くときは、鼻水のサインもあわせて確認してください。

柴田ママ
柴田ママ@shibata_mama
執筆者のひとこと

うちの子の鼻が、朝、カサカサに乾いていて、初めてのときは「熱があるのかも」と、あわてて体温を測ろうとしました。でも、調べてみたら、寝起きは乾くのが普通で、鼻では熱は測れないのだと知って、ひと安心。それからは、鼻より「元気か・食欲があるか」を見るように。ちゃんと知っておくと、無用な心配が減りますね。

まとめ

ここまで見てきたとおり、「犬の鼻が乾いている=病気・発熱」というのは俗説で、正しくありません。健康な犬でも、寝ているとき・寝起き、シニア、室内が乾燥しているとき、運動後などには、鼻が乾きます。鼻が湿っているのは、においを捉えたり体温を調節したりするためで、一日のなかで乾湿は変わるもの。乾いていても、元気で食欲があれば、多くは心配いりません。また、鼻の乾き具合で発熱はわからず、体温は直腸や耳で測ります(平熱38〜39度)。体調は、鼻ではなく、元気・食欲・呼吸・歯ぐきの色などで見てあげてください。ただし、乾き+ひび割れ・出血・かさぶた、鼻先のポロポロした角化、鼻水や膿・くしゃみ、左右非対称、脱水や全身症状をともなうときは、病気のサインのことがあるので、受診しましょう。

「犬 鼻 乾く」についてのFAQ

Q. 犬の鼻が乾いています。熱があるのでしょうか?

A. 鼻の乾き具合では、熱はわかりません。「鼻が乾く=発熱」というのは俗説で、正しくないのです。健康な犬でも、寝ているときや寝起き、室内が乾燥しているとき、運動のあとなどには、鼻が乾きます。乾いていても、元気で食欲があれば、多くは心配いりません。発熱を疑うなら、鼻ではなく、元気がない・食欲がない・呼吸が速い・ぐったりしている、といった全身の様子を見てください。正確な体温は、動物病院で、直腸や耳で測ります(犬の平熱は約38〜39度)。気になるときは、受診して測ってもらいましょう。

Q. 鼻が乾いているだけなら、様子見でいいですか?

A. 元気で食欲があり、乾いているだけなら、様子見で大丈夫です。犬の鼻は、一日のなかで、乾いたり湿ったりを繰り返すのが自然。とくに寝起きや、乾燥した室内では乾きやすいものです。ただし、乾きに加えて、ひび割れ・出血・かさぶた・皮むけがある、鼻の先がポロポロ厚くなる、鼻水や膿・くしゃみ・鼻血をともなう、左右で様子が違う、元気や食欲が落ちている、というときは、注意が必要です。鼻の炎症や、ほかの病気のサインのことがあるので、動物病院を受診してください。

Q. 乾いた鼻に、保湿クリームを塗ってもいいですか?

A. 乾燥が気になるなら、舐めても安全な、犬用の鼻・肉球バーム(保湿剤)を、薄く塗ってあげるのはOKです。犬は鼻を舐めるので、口に入っても安全なものを選ぶことが大切。人間用のクリームや、成分のわからないものは避けてください。あわせて、お部屋を加湿する(湿度を保つ)、鼻を清潔にする、水分をしっかりとらせる、なども乾燥対策に有効です。ただし、ひび割れや出血、かさぶたがある、塗っても改善しない、というときは、病気のことも。自己流のケアだけで様子を見すぎず、受診してください。

Q. 犬の平熱は何度ですか?体温はどう測りますか?

A. 犬の平熱は、およそ38〜39度で、人より少し高めです(子犬はやや高め)。体温は、鼻では測れません。動物病院では、専用の体温計で、直腸(お尻)や耳で測ります。家庭で測るのは難しく、無理に測ろうとすると、犬を傷つけたり、嫌がられたりすることも。発熱が疑われるとき(元気食欲の低下、ぐったり、震え、体や耳が熱いなど)は、動物病院で測ってもらうのが確実です。日ごろは、体温を測るより、「元気か・食欲があるか・いつもと違うところはないか」を見てあげるのが、いちばんの健康チェックになります。

本記事は、編集部や飼い主自身の経験・見聞きした情報をもとにまとめたものです。執筆者は獣医師ではありません。ペットの健康・病気・体調に関することは症状や個体差によって適切な対応が異なります。気になる症状がある場合や判断に迷うときは、必ずかかりつけの獣医師にご相談ください。

この記事を書いた人

柴犬のシロと暮らして10年。ペットホテル選びで何度も失敗した経験から、このメディアを立ち上げました。愛犬が安心して過ごせる預け先を、飼い主さんと一緒に探していきます。