犬のおならは、ある程度なら正常ですが、急に臭くなった・回数が増えたときは、早食いや食事、お腹の不調が原因のことがあり、便の異常をともなうなら受診が必要です。そばにいたら、ふわっと、なんともいえない臭い。犬も、じつはおならをします。ある程度のおならは、正常なこと。ですが、「急に臭くなった」「回数が増えた」というときは、食事や、お腹の不調のサインのことも。なかには、受診が必要なものもあります。犬のおならが臭い・よく出る原因と、正常なものと注意すべきものの見分け、対策を紹介します。
犬のおなら|正常なものと注意すべきもの
犬のおならは、自然なことです。おならは、食事のときに飲み込んだ空気と、腸の中で、食べ物が発酵してできるガス。ある程度の回数や、軽い臭いは、心配いりません。無臭〜弱い臭いのガスが、ほとんどです。
一方、次のようなときは、注意が必要です。
- 急に、おならの回数が増えた
- 強烈な悪臭が続く
- お腹が、ゴロゴロ鳴る・張っている
- 便の異常(下痢・軟便・血便)や、嘔吐・食欲不振をともなう
とくに、便の異常や、元気・食欲の低下をともなう、おならの変化は、お腹の不調のサインのことがあります。「ただのおなら」と思わず、ほかの様子もあわせて、見てあげましょう。
おならが臭い・回数が増える原因
おならが臭くなったり、増えたりする原因は、大きく「臭い系」と「回数系」に分けられます。
臭くなる原因は、高タンパク・高脂肪の食事(肉中心)、消化に悪いもの、腸内細菌のバランスの乱れ、加齢による消化機能の低下、人の食べ物や脂っこいものなど。回数が増える原因は、早食い・大食いで、空気をたくさん飲み込むこと(いちばん多い原因のひとつ)、食物繊維のとりすぎ、いも・豆類・乳製品、フードの変更や体質に合わないフード、運動不足など。パグやフレンチブルドッグなどの短頭種は、構造上、空気を飲み込みやすく、おならが出やすい傾向があります。
見分けの手がかりは、フードを変えた・おやつが増えたタイミングと連動しているか(=食事が原因)、便の異常や食欲不振・体重減少をともなうか(=病気を疑う)。早食いの子は、空気を飲み込む量を減らすことが、対策の第一歩です。
【注意】受診を考えるサインと、大型犬の緊急
受診を考えたいサインは、強烈な悪臭が続く、下痢・軟便・血便・嘔吐・食欲不振・体重減少をともなう、お腹が張って苦しそう、繰り返すといったもので、早めに動物病院で相談してください。これらは、胃腸炎や膵炎、寄生虫、炎症性腸疾患、消化吸収の不良など、消化器の病気のサインのことがあります。
そして、とくに注意してほしいのが、大型犬・胸の深い犬種。食後などに、お腹が急に張って、ガスがたまり、吐こうとするのに吐けない、よだれ、落ち着かない、という様子があれば、「胃拡張・胃捻転」という、数時間で命に関わる緊急事態の疑いがあります。すぐに動物病院へ。なお、「おならが臭い」と思ったら、じつは肛門腺(肛門の横の分泌液)の臭いだった、ということもあります。お尻を気にしている、お尻を床にこすりつける・お尻歩きをするというときは、肛門腺のトラブルも疑ってみてください。

ご近所さんの犬が、急におならが臭くなって、よく見たら軟便も続いていたそうです。フードを新しいものに一気に変えたのが原因だったよう。ゆっくり切り替え直して、整腸のケアをしたら、落ち着いたとか。おならは、お腹の調子を映す鏡なんだな、と感じました。
おならを減らす家庭でできる対策
おならを減らす対策は、正常な範囲のものや食事が原因のものなら、次のような家庭のケアが有効です。
- 早食いを防ぐ…早食い防止用の食器(凸凹のあるお皿)や、少量を回数に分けて与える。空気を飲み込む量を減らします
- 消化のよい、良質なフードに…高脂肪・消化に悪いものを控える
- フードの変更は、ゆっくり…1週間ほどかけて、少しずつ切り替える(急な変更は、腸を乱します)
- 適度な運動…腸の動きを促します
- 腸内環境を整える…善玉菌(プロバイオティクス)や、適量の食物繊維を。ただし、食物繊維はとりすぎると逆効果なので、あくまで適量に
- 人の食べ物や、脂っこいもの、乳製品は控える
「腸にいいから」と、食物繊維をたっぷり与えるのは、かえっておならを増やすことがあるので、注意してください。対策をしても、悪臭や軟便などの便の異常が続くときは、病気のことも。受診しましょう。
まとめ
犬もおならをするのは自然なことで、ある程度の回数や軽い臭いは、心配いりません。おならは、飲み込んだ空気と、腸内の発酵ガスによるものです。一方、急に回数が増えた、強烈な悪臭が続く、お腹が張る、便の異常(下痢・血便)や嘔吐・食欲不振をともなう、というときは注意を。臭くなる原因は高脂肪の食事や腸内環境の乱れ、回数が増える原因は早食いによる空気の飲み込みや食物繊維のとりすぎなど。対策は、早食い防止、消化のよいフード、ゆっくりしたフード切り替え、運動、適量の腸内環境ケアです(繊維のとりすぎは逆効果)。悪臭や便の異常が続くなら受診を。とくに、大型犬で、お腹が張って吐けないのは、胃捻転の緊急サインなので、すぐ病院へ。お尻を気にするなら、肛門腺の臭いのことも。
「犬 おなら 臭い」についてのFAQ
Q. 犬のおならが臭いのですが、病気でしょうか?
A. ある程度の臭いや回数は、正常なことが多く、すぐに病気とは限りません。おならは、飲み込んだ空気や、腸内の発酵ガスによるもの。高タンパク・高脂肪の食事(肉中心)や、腸内環境の乱れで、臭くなることがあります。ただし、注意したいのは、急に強烈な悪臭になった、回数が増えた、そして、下痢・軟便・血便・嘔吐・食欲不振・体重減少をともなう、というとき。これらは、胃腸炎や膵炎、寄生虫など、消化器の病気のサインのことがあります。とくに、フードを変えたタイミングと連動しているなら食事性、便の異常をともなうなら病気を疑います。悪臭や便の異常が続くときは、動物病院で相談してください。
Q. 最近、おならの回数が急に増えました。なぜ?
A. もっとも多い原因のひとつが、早食い・大食いで、空気をたくさん飲み込んでいることです。勢いよく食べると、食べ物と一緒に空気を飲み込み、それがおならになって出ます。対策は、早食い防止用の食器(凸凹のあるお皿)を使う、少量を回数に分けて与えること。ほかにも、食物繊維のとりすぎ、いも・豆類・乳製品、フードの変更や、体質に合わないフード、運動不足なども、回数を増やす原因になります。パグなどの短頭種は、構造上、空気を飲み込みやすい傾向も。ただし、回数の増加に、下痢や軟便、食欲不振をともなうときは、お腹の不調のことがあるので、受診してください。
Q. おならの対策に、食物繊維をたくさんあげてもいいですか?
A. 「腸にいいから」と、食物繊維をたっぷり与えるのは、おすすめできません。じつは、食物繊維は、とりすぎると、かえってガスを増やして、おならが多くなることがあります。あくまで「適量」が大切です。おならの対策としては、まず早食いを防ぐこと(早食い防止の食器、少量頻回)。そして、消化のよい良質なフードにする、フードの変更はゆっくり行う、適度な運動で腸の動きを促す、善玉菌(プロバイオティクス)や適量の食物繊維で腸内環境を整える、人の食べ物や脂っこいものを控える、といった対策を。バランスが大切なので、食物繊維やサプリに頼りすぎないようにしましょう。続く悪臭や便の異常は、受診しましょう。
Q. お腹が張って、おならも出ず、苦しそうです。大丈夫?
A. とくに大型犬や、胸の深い犬種では、注意が必要です。食後などに、お腹が急にパンパンに張って、ガスがたまり、吐こうとするのに吐けない、よだれが出る、落ち着かずソワソワする、という様子があれば、「胃拡張・胃捻転」という、命に関わる緊急事態の疑いがあります。これは、胃がねじれてガスがたまり、数時間でショック状態に陥る、一刻を争う病気です。様子を見ずに、すぐに動物病院を受診してください。小型犬でも、お腹の張りや痛み、ぐったりをともなうときは、受診してください。単なるおならやガスだまりと、緊急の胃捻転は、家庭では見分けが難しいので、苦しそうなときは、迷わず病院へ向かってください。
本記事は、編集部や飼い主自身の経験・見聞きした情報をもとにまとめたものです。執筆者は獣医師ではありません。ペットの健康・病気・体調に関することは症状や個体差によって適切な対応が異なります。気になる症状がある場合や判断に迷うときは、必ずかかりつけの獣医師にご相談ください。