犬が水を飲まないのはなぜ?原因と飲ませ方・受診目安をイメージできる記事のメイン画像

犬が水を飲まないのは、フードからの水分や気温の低さなど心配のいらない理由が多いものの、体の不調が隠れていることもあります。「うちの子、あまり水を飲まないけど大丈夫かな?」——飼い主さんからよく聞く心配ごとです。犬が水を飲まない理由には、フードから水分がとれている・気温が低いといったものから、体の不調まで幅があり、とくに水分不足は放っておくと脱水につながることもあるので、見極めが大切。水を飲まない原因から、必要な水分量の目安、飲ませる工夫、見逃せない受診のサインまで、順に見ていきましょう。

犬が水を飲まないおもな理由と背景

犬が水を飲まないおもな理由と背景

犬が水を飲まない理由は、多くが心配のいらないものですが、なかには体調が背景のこともあります。考えられる主なものを挙げてみます。

  • フードから水分がとれている…ウェットフードやふやかしフードは水分が多く、飲む量が少なめでも足りていることがあります
  • 気温が低い・運動が少ない…寒い時期や活動量が少ない日は、のどが渇きにくく飲水量も減ります
  • 水や器が気に入らない…水が古い、器の素材や置き場所が好みでない、といった理由で飲まないことも
  • 加齢…シニア期になると、のどの渇きを感じにくくなったり、水飲み場まで行くのがおっくうになったりします
  • 体調不良・口内トラブル…具合が悪い、口の中が痛い、といったときは飲水量が落ちることがあります

元気も食欲もあり、おしっこもふだんどおりなら、あわてなくて大丈夫なことがほとんど。ただ、ほかにも気になる様子があるときは、体調のサインを疑ってみる必要があります。

1日に必要な水分量の目安と考え方

1日に必要な水分量の目安と考え方

1日に必要な水分量は、一般に体重1kgあたり、およそ40〜60mlが一つの目安とされます。たとえば5kgの子なら、1日およそ200〜300ml前後という計算です。「どれくらい飲めば足りているのか」の目安として、知っておくと安心です。

ただし、これはあくまで目安。気温や運動量、食べているフードの種類(ドライは水分が少なく、ウェットは多い)によって、必要な量も、水飲み場から飲む量も大きく変わります。数字にこだわりすぎず、「ぐったりしていないか」「おしっこの量や色が極端に変わっていないか」といった、その子の状態を見て判断するのが実践的です。

柴田ママ
柴田ママ@shibata_mama
執筆者のひとこと

「何ml飲ませなきゃ」と数字に神経質になりすぎると、かえって疲れてしまいます。目安は目安。それより、いつもの飲みっぷりやおしっこの様子を覚えておくほうが、変化に気づく力になります。ふだんを知る、がいちばんの近道ですね。

犬にもっと水を飲ませる工夫とコツ

犬にもっと水を飲ませる工夫とコツ

犬にもっと水を飲ませたいときは、ちょっとした工夫で飲水量を増やせることがあります。無理強いせず、飲みたくなる環境を整えてあげましょう。

  • 新鮮な水に替える…こまめに交換し、いつも清潔な水を用意する
  • 器や置き場所を見直す…器の素材や高さを変える、水飲み場を複数に増やす、静かな場所に置く
  • フードで水分を足す…ドライフードをふやかす、ウェットフードを取り入れる
  • 水に少し風味を足す…犬用のスープや、ゆで汁(味付けなし)をほんの少し混ぜる
  • ぬるめの水にする…冷たい水が苦手な子には、常温〜ぬるめが飲みやすいことも

いくつか試して、その子が飲みやすい方法を見つけてあげてください。水飲み場が家の中に一つしかない場合は、増やすだけで飲む量が変わることもあります。

脱水など注意したい受診のサイン

脱水など注意したい受診のサイン

脱水のサインは、水を飲まない状態が続いたときに次のような形であらわれます。当てはまるものがあれば、早めに動物病院に相談してください。

  • 皮膚の戻りが遅い…首の後ろの皮膚を軽くつまんで離し、1秒ほどですぐ戻れば正常。2〜3秒かかる、つまんだ形が戻らない場合は脱水の疑い(※高齢の子や病気があると皮膚の弾力が落ち、判定しにくいことがあります)
  • 歯ぐきや口の中、鼻が乾いている
  • おしっこの量が極端に少ない、色が濃い
  • 元気・食欲の低下、ぐったりしている
  • 嘔吐や下痢をともなう

目安として、元気・食欲があり排尿も普通なら、半日〜数日は様子を見られることが多いですが、上記の脱水サインやぐったり・嘔吐下痢があるときは、様子見せず早めに受診を。とくに子犬やシニア犬は脱水が進みやすいので、慎重に見てあげてください。

急にたくさん飲む多飲多尿の注意点

急にたくさん飲む多飲多尿の注意点

急に水をたくさん飲むようになったときも、飲まないのとは逆に、実は注意が必要です。急に水をがぶがぶ飲むようになったときは、おしっこの量も増える「多飲多尿」として、体の不調のサインのことがあります。

たとえば、腎臓の病気(とくに高齢の犬)、糖尿病、ホルモンの病気(クッシング症候群)、避妊していないメス犬の子宮の病気などで、多飲多尿が見られることがあります。くわしくは犬が水をよく飲む多飲多尿と病気の目安もあわせてご確認ください。「たくさん飲むのは健康的」と思われがちですが、飲水量が急に増えた・おしっこの量や回数が明らかに増えた、というときは、自己判断せず動物病院で相談してください。飲む量は「少なすぎ」も「急な増加」も、どちらも体からのメッセージのことがあります。

まとめ

犬が水を飲まない理由には、フードからの水分・気温・運動量・器の好み・加齢など心配のいらないものと、体調不良が背景のものがあります。必要な水分量は体重1kgあたり1日およそ40〜60mlが目安ですが、フードや気温で変わるため、数字より「ぐったりしていないか」「おしっこがふだんどおりか」を見て判断を。飲水量を増やすには、新鮮な水・器や置き場所の工夫・フードでの水分補給などが有効です。皮膚の戻りが遅い、口や鼻が乾く、尿が極端に少ない、元気食欲の低下や嘔吐下痢をともなうときは脱水の可能性があり受診を。反対に、急にたくさん飲む多飲多尿も病気のサインのことがあるので、飲む量の急な変化には気をつけてあげてください。

「犬 水 飲まない」についてのFAQ

Q. 犬が水を飲まないのは、何日くらいなら様子を見て大丈夫ですか?

A. 元気も食欲もあり、おしっこもふだんどおりなら、半日〜数日は様子を見られることが多いです。ウェットやふやかしフードなら、水をあまり飲まなくても水分が足りていることも。もし受診の判断に迷ったら、「いつから飲んでいないか」「食事・おしっこ・元気はどうか」をメモしておくと、獣医師に状況が伝わりやすくなります。ぐったり・嘔吐・下痢があるときは、日数に関わらずすぐ受診してください。

Q. 犬が1日に飲む水の量は、どれくらいが目安ですか?

A. 一つの目安は、体重1kgあたり1日およそ40〜60ml。5kgの子なら200〜300ml前後です。ただし、これは飲み水だけでなくフードに含まれる水分も含めた体全体の必要量に近く、気温・運動量・フードの種類で大きく変わります。神経質に量らず、いつもの飲みっぷりとおしっこの様子を覚えておき、そこから大きく外れないかを見るのがおすすめです。

Q. 脱水しているかどうか、家で見分ける方法はありますか?

A. 「皮膚の戻り」を見る方法があります。やり方は、首の後ろ〜肩甲骨のあたりの皮膚を、指で軽くつまんで持ち上げ、パッと離すだけ。1秒ほどですっと元に戻れば正常、2〜3秒かかる・つまんだ形のまま戻らないなら脱水が疑われます。強くつままず、あくまで軽く行うのがコツ。ほかに歯ぐきや鼻の乾き、尿量の減少も手がかりです。ただし高齢の子や病気があると皮膚の弾力自体が落ちて判定しづらいため、迷ったら受診してください。

Q. 逆に、水をたくさん飲むようになったのは大丈夫ですか?

A. 急に飲む量が増え、おしっこも増える「多飲多尿」は、実は注意したいサインです。腎臓の病気や糖尿病、ホルモンの病気、避妊していないメスの子宮の病気などで見られることがあります。暑い時期や運動後に一時的に増えるぶんは心配いりませんが、「最近ずっとがぶ飲みしている」「水の減りが急に早い」と感じたら、自己判断せず動物病院で相談しましょう。

本記事は、編集部や飼い主自身の経験・見聞きした情報をもとにまとめたものです。執筆者は獣医師ではありません。ペットの健康・病気・体調に関することは症状や個体差によって適切な対応が異なります。気になる症状がある場合や判断に迷うときは、必ずかかりつけの獣医師にご相談ください。

この記事を書いた人

柴犬のシロと暮らして10年。ペットホテル選びで何度も失敗した経験から、このメディアを立ち上げました。愛犬が安心して過ごせる預け先を、飼い主さんと一緒に探していきます。