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犬のいびきは、その多くが心配のいらないものですが、なかには呼吸器の病気のサインになっていることもあります。すやすや眠る愛犬のグーグーといういびきは、思わず笑ってしまうほどかわいいもの。ただし、急に始まった、だんだん大きくなる、起きているときもゼーゼーいう、というときは注意が必要です。犬がいびきをかく原因と、心配ないびき・危険ないびきの見分け、受診の目安を解説します。
犬のいびきで心配ないものと注意すべきもの
犬のいびきには、体質による心配の少ないものと、病気が隠れた注意したいものの2種類。見分けの手がかりを押さえましょう。
- 心配が少ないいびき…寝ているときだけで、姿勢を変えたり目を覚ましたりすると止まる、軽いいびき。短頭種で、以前から変わらず続いているもの(生まれつきの体質)
- 注意したいいびき…急に始まった、だんだん大きくなる・悪化する、起きているときもゼーゼー・ヒューヒュー鳴る、いびきが途中で止まる(無呼吸)、鼻水・くしゃみ・咳などをともなう
見るポイントは、「いつから・どんな音か」「起きているときの呼吸はどうか」「ほかの症状はないか」の3つ。寝ているときだけの軽いいびきで、日中は元気に普通の呼吸をしているなら、多くは心配いりません。逆に、起きているときも呼吸がおかしい、急に悪化した、というときは、病気のサインのことがあります。
犬のいびきの主な原因と手がかり
いびきは、空気の通り道(気道)が、なんらかの理由で狭くなり、粘膜が振動して音が出るもの。主な原因は次のとおりです。
| 原因 | 手がかり |
|---|---|
| 短頭種(生まれつきの構造) | パグ・フレンチブルドッグ・シーズーなど。子犬の頃からいびき・鼻鳴らし |
| 肥満 | のど周りの脂肪で気道が狭くなる。体重増加とともに悪化 |
| 鼻炎・副鼻腔炎・アレルギー | 鼻水・くしゃみ・鼻づまりをともなう |
| 鼻の中の異物・腫瘍・ポリープ | 片方の鼻から音・鼻血。シニアで急に始まったら要注意 |
| 加齢・寝る姿勢・乾燥 | シニアで徐々に、または一過性で姿勢を変えると止まる |
このなかでも、飼い主さんに知っておいてほしいのが、肥満と、短頭種の体質です。肥満は、のど周りに脂肪がついて気道を狭くし、いびきを悪化させます。体重管理は、いびき対策の基本で、犬の肥満とダイエットもあわせて見直しを。そして、次に見る短頭種は、いびきが病気とつながっていることがあります。
短頭種のいびきと気道の病気の注意点
短頭種のいびきは、鼻や気道の構造上、生まれつきかきやすいのが特徴。パグ、フレンチブルドッグ、シーズー、ボストンテリア、ペキニーズなどが代表で、軟口蓋が長い、鼻の穴が狭いといった特徴があります。多くは体質ですが、注意したいのは、これが「短頭種気道症候群」という、呼吸がしづらくなる状態につながっていることがある点。
この状態があると、呼吸困難、熱中症(体温調節が苦手)、興奮や運動時の失神、低酸素によるチアノーゼ(舌が青紫になる)などのリスクが高まります。夏は犬の熱中症の応急処置と予防もあわせて備えておくと安心です。いびきは、その入り口のサインのことも。とくに、肥満で悪化し、暑さ・興奮・激しい運動が引き金になります。短頭種の子は、いびきに加えて、起きているときもゼーゼーいう、少しの運動で苦しそう、夏にぐったりしやすい、といった様子があれば、一度、動物病院で気道の状態を診てもらうと安心です。日ごろから、涼しく過ごさせる、太らせない、興奮させすぎない、といった配慮を。

うちの子は、寝るときのいびきがかわいくて、家族の癒やしでした。でも調べてみて、いびきが呼吸器のサインのこともあると知り、少しドキッと。幸い、日中の呼吸は普通で、獣医さんにも「体質の範囲」と言われて安心しましたが、体重だけは気をつけようと、あらためて思いました。かわいいいびきも、油断は禁物ですね。
犬のいびきで受診したい目安と家庭の対策
犬のいびきで受診したいのは、チアノーゼや呼吸困難、急な悪化、鼻血などのサインがあるとき。次のうち、とくに上のほうは緊急です。
- 舌や歯ぐきが青紫になる(チアノーゼ)、呼吸が苦しそうで横になれない、失神した(=緊急・すぐ受診)
- 起きているときも、呼吸音が荒い・常にゼーゼーいう
- 急にいびきが始まった、急に悪化した
- 鼻血・鼻水・くしゃみをともなう、片方の鼻だけ音がする
- 体重が増えるとともに、いびきが悪化した
- いびきが途中で止まる(無呼吸)
受診のときは、いびきや呼吸の様子を、スマホで動画に撮って持っていくと、診断に役立ちます。起きているときの呼吸が気になるときは、犬の呼吸が速いときの見分け方も参考になります。家庭での対策としては、まず体重管理(いちばん効果的です)。そして、頭や首が少し高くなるように枕やクッションを置く、寝床を整える、乾燥する季節は加湿する、鼻まわりや口の中を清潔に保つ(歯周病も鼻に影響します)こと。短頭種の子は、暑さと興奮を避け、涼しく穏やかに過ごさせてあげましょう。「ただのかわいいいびき」と思っても、変化には気をつけてあげてください。
犬のいびきの見分けと対策まとめ
いびきは、気道が狭くなって粘膜が振動する音で、その多くは心配のいらないもの。寝ているときだけで、姿勢を変えると止まる軽いいびき、短頭種で以前から変わらないいびきは、体質のことが多いもの。一方、急に始まった、だんだん大きくなる、起きているときもゼーゼーいう、いびきが途中で止まる、鼻水やくしゃみをともなう、というときは、注意が必要です。原因には、短頭種の構造、肥満、鼻炎やアレルギー、鼻の異物・腫瘍、加齢などがあります。とくに短頭種は、いびきが「短頭種気道症候群」につながり、呼吸困難や熱中症、失神のリスクがあることも。肥満で悪化します。舌が青紫(チアノーゼ)、苦しそう、失神、はすぐ受診を。家庭では、体重管理を第一に、寝る環境や加湿、清潔を心がけ、短頭種は暑さと興奮を避けてあげましょう。
犬のいびきについてのよくある質問
Q. 犬のいびきは、放っておいて大丈夫ですか?
A. 多くのいびきは、心配いりません。寝ているときだけで、姿勢を変えたり目を覚ましたりすると止まる軽いいびきや、短頭種(パグ・フレンチブルドッグなど)で、以前から変わらず続いているいびきは、体質のことが多いものです。ただし、注意したいのは、急に始まった、だんだん大きくなる・悪化する、起きているときもゼーゼー・ヒューヒュー鳴る、いびきが途中で止まる(無呼吸)、鼻水・くしゃみ・咳をともなう、というとき。これらは、鼻炎や気道の病気などのサインのことがあります。とくに、舌が青紫になる、苦しそう、失神した、というときは緊急です。すぐに動物病院を受診してください。
Q. 急にいびきをかくようになりました。心配ですか?
A. 注意が必要です。もともといびきをかかなかった子が、急にいびきをかき始めた、あるいは急に大きくなった、というときは、体質ではなく、なんらかの原因があることが多いのです。考えられるのは、鼻炎やアレルギー、鼻の中の異物やポリープ、シニアでは腫瘍、体重増加による気道の圧迫など。とくに、片方の鼻だけ音がする、鼻血や鼻水をともなう、というときは、鼻の中の異常が疑われます。いびきや呼吸の様子を、スマホで動画に撮っておくと、受診のときに役立ちます。急な変化は様子を見すぎず、動物病院で原因を調べてもらいましょう。
Q. 短頭種のいびきは、体質だから安心していいですか?
A. 体質のことが多いですが、油断は禁物です。パグやフレンチブルドッグなどの短頭種は、鼻や気道の構造から、生まれつきいびきをかきやすい犬たち。ただ、これが「短頭種気道症候群」という、呼吸のしづらさにつながっていることがあります。この場合、呼吸困難、熱中症、興奮や運動時の失神、低酸素によるチアノーゼ(舌が青紫)などのリスクが高まります。肥満で悪化し、暑さや興奮が引き金に。いびきに加えて、起きているときもゼーゼーいう、少しの運動で苦しそう、夏にぐったりしやすい、というときは、動物病院で気道の状態を診てもらいましょう。日ごろは、涼しく、太らせず、興奮させすぎない配慮を。
Q. いびき対策として、家庭でできることは?
A. いちばん効果的なのは、体重管理です。太ると、のど周りに脂肪がついて気道が狭くなり、いびきが悪化します。適正体重を保つことが、いちばんの対策です。ほかには、寝るときに、頭や首が少し高くなるよう枕やクッションを置く、丸まれる寝床を整える、といった姿勢の工夫。乾燥する季節は、加湿で鼻や喉の粘膜を守ることも有効です。また、歯周病が鼻に影響することもあるので、口の中を清潔に保つデンタルケアも大切。短頭種の子は、暑さと興奮を避け、涼しく穏やかに過ごさせてあげてください。対策をしても悪化する、起きているときも呼吸がおかしい、というときは、受診しましょう。
本記事は、編集部や飼い主自身の経験・見聞きした情報をもとにまとめたものです。執筆者は獣医師ではありません。ペットの健康・病気・体調に関することは症状や個体差によって適切な対応が異なります。気になる症状がある場合や判断に迷うときは、必ずかかりつけの獣医師にご相談ください。