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犬のおしっこの回数が多いときは、まず1回の量で頻尿か多尿かを切り分けることが大切で、少量頻回なら膀胱炎など、量も多いなら全身の病気を疑います。健康な犬のおしっこは、1日におよそ3〜5回。これより明らかに回数が増えた、トイレが近くなった、というときは、注意が必要です。ただ、ひとくちに「回数が多い」といっても、原因は大きく2つに分かれます。膀胱や尿道のトラブルか、たくさん飲んでたくさん出る「多尿」か。この見分けが、とても大切です。犬のおしっこの回数が多い原因と、受診の目安を解説します。
おしっこの回数|「頻尿」か「多尿」かの切り分け
おしっこの回数が多いとき、まず確認したいのが、「1回の量」です。ここで、疑う原因が大きく変わります。
- 1回の量が「少ない」のに、回数が多い…膀胱や尿道のトラブル(膀胱炎・結石など)を疑います。少量を、ちょこちょこ出す状態です
- 1回の量が「多く」、回数も多い…「多尿」といい、水をたくさん飲む「多飲」とセットのことが多いもの。腎臓や糖尿病など、全身の病気のサインのことがあります
見分けには、トイレシートの濡れ具合(1回の量)を見るのが手がかり。少量がちょこちょこか、1回でたっぷりか、を確認しましょう。なお、水をよく飲んで、おしっこの量も多い多飲多尿については、別の記事でくわしく解説しています。この記事では、「少量を、何度も」タイプ(膀胱・尿道のトラブル)を中心に見ていきます。
少量頻回のとき|膀胱・尿道の病気
1回の量が少なく、何度もトイレに行く少量頻回のときは、膀胱炎や結石など、次のような膀胱・尿道の病気が考えられます。
- 膀胱炎・尿路感染…少量頻回のいちばん多い原因。細菌感染などで膀胱が炎症を起こし、少量をちょこちょこ、血尿、排尿時に痛がる、おしっこが濁る、といった症状が出ます
- 尿路結石(尿石症)…膀胱や尿道に石ができ、血尿、痛み、出にくさをともないます
- 前立腺の病気…去勢していないオスで、前立腺が大きくなり、おしっこがしづらくなることも
- 膀胱の腫瘍…血尿や、排尿困難をともなうことがあります
とくに、血尿が出る、おしっこのときに痛がって鳴く、少量頻回が続く、というときは、膀胱炎や結石などのサインのことが多いもの。早めに、動物病院を受診してください。おしっこの色や、排尿のときの様子を、よく見てあげましょう。
【緊急】おしっこが「出そうで出ない」とき
頻尿で、絶対に見逃してはいけないのが、「おしっこが出そうで出ない」状態です。トイレの姿勢を何度もとるのに、まったく出ない、少ししか出ない——これは、「尿道閉塞」という、命に関わる緊急事態のことがあります。
結石などで尿道が詰まり、おしっこが出せなくなると、体に毒素がたまり(尿毒症)、膀胱が破裂することも。とくに、オスは尿道が細く、結石が詰まりやすいので注意が必要です。放っておくと、数時間〜1日ほどで、命に関わります。「トイレに行くのに出ない」「元気がなくなってきた」「吐く」といった様子があれば、一刻を争うので、ためらわず動物病院へ電話を。頻尿と、この「出ない(尿閉)」は、まったく緊急度が違うので、しっかり見分けてあげましょう。

知人が、愛犬の「トイレが近いな」に気づいたとき、よく見たら1回の量が少なく、おしっこに血が混じっていたそうです。あわてて受診したら膀胱炎で、お薬ですぐ回復。「回数だけ見て、ただ近いだけだと思い込まなくてよかった」と話していました。量と色まで確認する——ちょっとした習慣が、早期発見につながるのですね。
心配の少ない頻尿と、受診の目安
病気でない頻尿もあります。水をたくさん飲んだ後、寒い日、興奮・ストレス、マーキング(少量をあちこち)、トイレを覚えている最中などです。これらで、元気があり、おしっこの色や量に異常がなければ、多くは心配いりません。一方、次のようなときは、動物病院を受診してください。
- 血尿が出る、おしっこが濁る・においが強い
- 排尿のときに痛がる、鳴く
- 少量頻回が続く/トイレに行くのに出ない=尿閉(緊急)
- 水を飲む量も増えた(多飲多尿=全身の病気の疑い)
- 元気や食欲がない、粗相が増えた
受診に備えて、おしっこの回数・1回の量・色・排尿の姿勢・水を飲む量を記録しておくと、診察にとても役立ちます。可能なら、排尿の様子を動画に撮っておくのもおすすめ。なお、頻尿だからと、水を制限したり、トイレを我慢させたりするのはNG。かえって膀胱炎などを悪化させます。気になる頻尿は、水分はしっかりとらせたうえで、受診してください。
まとめ
犬のおしっこの回数が多いときは、まず「1回の量」で切り分けます。量が少ないのに回数が多いなら、膀胱炎や結石など膀胱・尿道のトラブル。量も多いなら「多尿」で、水をよく飲む「多飲」とセットのことが多く、腎臓・糖尿病など全身の病気を疑います。少量頻回で、血尿・排尿痛・濁りをともなうときは、膀胱炎などのサインなので受診を。とくに緊急なのが、「トイレの姿勢をとるのに、出そうで出ない」尿道閉塞——命に関わり、オスに多いので、すぐ動物病院へ。一方、水を飲んだ後・寒さ・興奮・マーキングによる頻尿は、元気で色・量に異常がなければ多くは心配いりません。回数・量・色・姿勢・飲水量を記録して受診を。水の制限やトイレの我慢は逆効果なので、しないでください。
「犬 おしっこ 回数 多い」についてのFAQ
Q. 犬のおしっこの回数が増えました。病気でしょうか?
A. まず「1回の量」を確認してください。量が少ないのに回数が多い(少量をちょこちょこ)なら、膀胱炎や結石など、膀胱・尿道のトラブルを疑います。血尿や、排尿時に痛がる、おしっこが濁る、をともなうなら、なおさらです。一方、1回の量も多く、水をよく飲むようになったなら、「多飲多尿」で、腎臓や糖尿病など全身の病気のサインのことも。水を飲んだ後・寒さ・興奮・マーキングによる頻尿で、元気があり色・量に異常がなければ、多くは心配いりません。気になるときは、回数・量・色を記録して、受診してください。
Q. トイレに行くのに、おしっこが出ていません。大丈夫ですか?
A. すぐに動物病院へ連絡してください。トイレの姿勢を何度もとるのに、まったく出ない・少ししか出ない、というのは、「尿道閉塞」という、命に関わる緊急事態のことがあります。結石などで尿道が詰まり、おしっこが出せなくなると、毒素がたまり(尿毒症)、膀胱が破裂することも。とくに、オスは尿道が細く、詰まりやすいので要注意です。放っておくと、数時間〜1日で命に関わります。「出ない」に加え、元気がない、吐く、お腹を痛がる、といった様子があれば、一刻を争います。夜間でも、すぐ受診してください。
Q. おしっこに、血が混じっているようです。
A. 血尿は、膀胱炎や尿路結石、膀胱の腫瘍などのサインのことがあります。とくに、少量頻回(少しをちょこちょこ)、排尿時に痛がる、おしっこが濁る、をともなうなら、膀胱炎の可能性が高いです。早めに動物病院を受診してください。受診の際は、可能なら、血の混じったおしっこを、清潔な容器に少し採って持参すると、検査に役立ちます(難しければ、色を写真に撮っておくだけでもOK)。なお、避妊していないメスは、発情による出血のことも。血尿か発情かの区別も含め、獣医師に相談しましょう。
Q. 頻尿のとき、家庭で気をつけることはありますか?
A. まず、やってはいけないのが、「トイレが近いから」と水を制限したり、トイレを我慢させたりすること。おしっこが濃くなったり、膀胱に長くたまったりして、膀胱炎や結石を悪化させます。水分は、しっかりとらせてください。そのうえで、おしっこの回数・1回の量・色・排尿の姿勢・水を飲む量を、記録しておきましょう。受診のとき、獣医師に伝えると、診断がスムーズです。可能なら、排尿の様子を動画に撮っておくのも有効。とくに、出そうで出ない、血尿、痛がる、というときは、様子を見ず、早めに受診してください。
本記事は、編集部や飼い主自身の経験・見聞きした情報をもとにまとめたものです。執筆者は獣医師ではありません。ペットの健康・病気・体調に関することは症状や個体差によって適切な対応が異なります。気になる症状がある場合や判断に迷うときは、必ずかかりつけの獣医師にご相談ください。