犬がマーキングするのはなぜ?室内でのやめさせ方をイメージできる記事のメイン画像

犬のマーキングは、縄張りの主張や情報交換のための、犬らしい本能的な行動ですが、室内でされると困りものです。きれいにしていたはずの部屋の柱や家具に、点々とおしっこの跡……困っている飼い主さんも多いのではないでしょうか。犬がマーキングをする理由と、室内でやめさせる方法、そして注意したい病気のサインまで解説します。

マーキングとは?通常のトイレとの違い

マーキングとは?通常のトイレとの違い

マーキングと、ふつうの排尿は、目的が大きく違います。

ふつうのトイレは、膀胱にたまったおしっこを、一度にすっきり出すもの。一方、マーキングは、少量のおしっこを、あちこちに、何回にも分けてかける行動です。用を足すためではなく、「ここは自分のなわばり」「自分はこういう犬だよ」と、においで主張・アピールするのが目的。オスが、片足を上げてするイメージが強いですが、メスや、去勢・避妊した子でもすることがあります。次に、マーキングをする理由を、くわしく見ていきましょう。

犬がマーキングをする5つの理由

犬がマーキングをする5つの理由

犬がマーキングをするのには、こんな理由・気持ちがあります。

  • 縄張りの主張・自己アピール…「ここは自分の場所」「自分はここにいる」と示す
  • 情報交換…ほかの犬のにおいに反応して、自分のにおいを上書きする。犬どうしの「伝言板」のようなもの
  • 性成熟・発情…性的に成熟したオスに多く、発情期のメスのにおいなどに反応して増える
  • 不安・ストレス…環境の変化や不安から、自分のにおいで安心しようとする
  • 興奮…気持ちが高ぶったときに

とくに、室内でのマーキングは、不安やストレスが引き金になることが多いもの。引っ越しや模様替え、新しい家族(赤ちゃん・新入りのペット)、来客、留守番の増加など、環境の変化に心当たりがないか、振り返ってみてください。

室内マーキングのやめさせ方|叱らないのが鉄則

室内マーキングのやめさせ方|叱らないのが鉄則

室内マーキングで、いちばんやってはいけないのが、叱ることです。なぜなら、叱っても効果がないどころか、逆効果になるから。犬は「排尿を叱られた」と誤解して、飼い主の見ていない所で、隠れてするようになったり、かまってほしくて、むしろ増えたりします。また、不安が原因の場合、叱られることで不安が強まり、さらに悪化します。

効果的なのは、次のような対応です。まず、においを完全に消すこと。においが残ると、同じ場所を「トイレ(マーキング場所)」と認識して繰り返します。おしっこ用の酵素系の消臭クリーナーを使いましょう(アンモニア系の洗剤は、尿のにおいに似て逆効果、水拭きだけでは不十分です)。あわせて、マナーベルトやマナーパンツを活用する、トイレを改めてしっかり教える、そして不安の原因を取り除くこと。環境の変化がストレスなら、犬が安心できる居場所を整えてあげてください。

柴田ママ
柴田ママ@shibata_mama
執筆者のひとこと

友人の家では、赤ちゃんが生まれたのをきっかけに、犬が急に室内マーキングを始めたそうです。最初は叱っていたけれど、まったく効果がなく……。「これは不安のサインかも」と気づいて、犬とのふれあいの時間を意識して増やしたら、少しずつ落ち着いたと。環境が変わるときこそ、犬の気持ちに寄り添いたい、と感じたお話でした。

去勢・避妊で治る?急な増加は病気のことも

去勢・避妊で治る?急な増加は病気のことも

マーキング対策として、よく挙がるのが去勢・避妊手術です。性ホルモンが関わるマーキングには効果が期待でき、性成熟する前の、早い時期に行うほど、予防効果が高いとされます。ただし、「手術すれば必ず治る」わけではありません。すでにクセとして定着した行動や、不安が原因のマーキングは、手術後も残ることがあります。過度な期待はせず、獣医師と相談して検討しましょう。

もうひとつ、大切なのが病気との見分けです。今までしなかったのに、急に室内でおしっこの失敗やマーキングが増えた、という場合、膀胱炎や尿路結石、尿路感染などの泌尿器の病気が隠れていることがあります。とくに、水をたくさん飲む・おしっこの回数が増えた、おしっこのときに痛がる、血が混じる、という様子をともなうときは要注意。高齢の犬なら、認知症のことも。「しつけの問題」と決めつけず、急な変化があるときは、一度、動物病院を受診してください。

まとめ

マーキングは、少量のおしっこをあちこちにかける、縄張りの主張・情報交換のための本能的な行動で、ふつうのトイレ(一度にすっきり出す)とは目的が違います。理由は、縄張りの主張、他犬への反応(情報交換)、性成熟・発情、不安・ストレス、興奮など。とくに室内マーキングは、環境の変化による不安が引き金のことが多いものです。やめさせる鉄則は、叱らないこと(隠れてする・悪化するため)。においを酵素系クリーナーで完全に消し、マナーベルトの活用、トイレの再教育、不安の原因の除去で対応します。去勢・避妊は、早期ほど効果が期待できますが、必ず治るわけではありません。そして、急に室内マーキングが増えたときは、膀胱炎など泌尿器の病気のことも。多飲・頻尿・血尿などをともなうなら、受診してください。

「犬 マーキング」についてのFAQ

Q. マーキングと、ふつうのおしっこは、どう違うのですか?

A. 目的が違います。ふつうのトイレは、膀胱にたまったおしっこを、一度にすっきり出す「排泄」。一方、マーキングは、少量のおしっこを、あちこちに、何回にも分けてかける行動で、「ここは自分のなわばり」「自分はこういう犬」と、においで主張・アピールするのが目的です。オスが片足を上げてするイメージが強いですが、メスや、去勢・避妊した子もすることがあります。少しずつ、いろいろな場所にかけているなら、それはマーキングと考えられます。

Q. 室内でマーキングされたとき、してはいけない対応はありますか?

A. いちばん避けたいのは、叱ることです。効果がないどころか、かえって悪化させることもあります。犬は「おしっこを叱られた」と誤解して、飼い主の見ていない場所でこっそりするようになったり、かまってほしくて増えたりします。不安が原因の場合は、叱られてさらに悪化することも。効果的なのは、においを酵素系クリーナーで完全に消す(残ると繰り返します)、マナーベルトを使う、トイレを教え直す、そして不安の原因(環境の変化など)を取り除くこと。とくに室内マーキングは、不安やストレスが引き金のことが多いので、安心できる環境づくりが大切です。

Q. 去勢・避妊をすれば、マーキングは治りますか?

A. 効果は期待できますが、「必ず治る」わけではありません。マーキングには性ホルモンが関わるため、去勢・避妊、とくに性成熟する前の早い時期に行うと、予防効果が高いとされます。ただし、すでにクセとして定着した行動や、不安が原因のマーキングは、手術後も残ることがあります。ですので、「手術すれば必ずなくなる」と過度に期待するのは禁物。手術を検討する際は、効果と限界の両方を、獣医師とよく相談してください。あわせて、においの消去や不安のケアも、並行して行いましょう。

Q. 今までしなかったのに、急に室内でするようになりました。

A. 「急に」がポイントで、注意が必要です。考えられるのは、大きく2つ。ひとつは、引っ越し・模様替え・新しい家族・来客など、環境の変化による不安・ストレス。もうひとつが、膀胱炎や尿路結石、尿路感染などの、泌尿器の病気です。とくに、水をたくさん飲む、おしっこの回数が増えた、排尿時に痛がる、血が混じる、という様子があれば、病気の可能性が高いので、一度動物病院を受診してください。高齢の犬では、認知症のこともあります。「しつけの問題」と決めつけず、急な変化は体からのサインとして見てあげましょう。

本記事は、編集部や飼い主自身の経験・見聞きした情報をもとにまとめたものです。執筆者は獣医師ではありません。ペットの健康・病気・体調に関することは症状や個体差によって適切な対応が異なります。気になる症状がある場合や判断に迷うときは、必ずかかりつけの獣医師にご相談ください。

この記事を書いた人

柴犬のシロと暮らして10年。ペットホテル選びで何度も失敗した経験から、このメディアを立ち上げました。愛犬が安心して過ごせる預け先を、飼い主さんと一緒に探していきます。