犬が体をかゆがるのはなぜ?原因の見分けと受診の目安をイメージできる記事のメイン画像

犬が体をかゆがる主な原因は、ノミなどの寄生虫、アレルギー、皮膚の感染、乾燥などで、なかには人にうつるものもあります。愛犬がしきりに掻いている姿は、見ていてかわいそうなもの。夜も眠れない、掻き壊して赤くなる、となると心配ですよね。大切なのは、原因を見きわめて対処すること、そして自己判断で市販薬を使わないことです。犬が体をかゆがる原因の見分け方と、受診の目安をまとめました。

犬が体をかゆがる、主な原因

犬が体をかゆがる、主な原因

犬が体をかゆがる主な原因は、ノミ・疥癬などの寄生虫、アレルギー、細菌やマラセチアの感染、乾燥の5つに大きく分けられます。かゆみの強さや、かゆがる場所が、見分けの手がかりです。

原因特徴・好発部位
ノミ(ノミアレルギー性皮膚炎)非常に強いかゆみ。腰〜背中・しっぽの付け根。黒い粒(ノミの糞)
疥癬(ヒゼンダニ)激しいかゆみ。耳の縁・肘・かかと。フケ・かさぶた。人にもうつる
アトピー・食物アレルギー顔・足先・指の間・お腹。繰り返す・季節性のことも
細菌・マラセチアの皮膚炎赤み・発疹、べたつき・独特のにおい。脇・内股・指の間
乾燥・接触性皮膚炎フケ、冬に悪化。特定のものに触れた場所の赤み

とくに、ノミによるかゆみは、たった1匹刺されただけでも激しいことがあり(ノミアレルギー性皮膚炎)、日ごろのノミ予防で防げます。また、繰り返すかゆみは、アレルギー(アトピーや食物)が背景のことが多いもの。原因によって対処が違うので、まずは見きわめが大切です。

かゆがる「場所」でわかること

かゆがる「場所」でわかること

犬がかゆがる場所は、原因を見分ける有力な手がかりになります。次のように、部位ごとに疑うものが変わります。

  • 腰〜背中・しっぽの付け根…まずノミを疑います
  • 耳の縁・肘・かかと…疥癬の典型的な場所
  • 耳の中…外耳炎やアレルギー、マラセチア
  • 足先・指の間…アレルギー(アトピー・食物)、指間炎、マラセチア
  • お尻・肛門まわり…肛門腺のトラブル、寄生虫
  • 顔まわり(目・口・あご)…アレルギー、細菌の皮膚炎

耳をかゆがる場合は犬の耳が臭い・外耳炎の記事、足先ばかりなめる場合は犬が足をなめる記事、フケが目立つ場合は犬のフケの記事で、それぞれ詳しく解説しています。部位によって、疑うものが変わってきます。

【注意】人にもうつるかゆみ

【注意】人にもうつるかゆみ

犬のかゆみのなかには、人にもうつるものがあります。代表が、疥癬(ヒゼンダニ)と、皮膚糸状菌症(カビ)です。

疥癬は、ヒゼンダニという小さなダニによる、激しいかゆみの皮膚病で、伝染性が強く、人にもうつります(人にうつると、腕・脚・お腹などに、赤いブツブツが出ます)。皮膚糸状菌症は、カビによるもので、円形の脱毛やフケをともない、これも人にうつります。犬が急にひどくかゆがり、同時に、飼い主さんや家族にも、かゆみや発疹が出た、というときは、これらの病気を疑ってください。すぐに動物病院を受診し、犬を治療するとともに、人の側も皮膚科を受診しましょう。「ただのかゆみ」と思わず、人にうつるサインを、見逃さないであげてください。

柴田ママ
柴田ママ@shibata_mama
執筆者のひとこと

散歩仲間の犬が、ひどくかゆがるようになり、飼い主さんの腕にも、かゆい発疹が出たそうです。受診したら、疥癬という、人にもうつる皮膚病でした。犬と人、両方の治療で回復したとのこと。「かゆみくらい」と思っていたら、家族にもうつるなんて、と驚いていました。人にうつるかゆみもあるんですね。

受診の目安と、掻き壊しの悪循環

受診の目安と、掻き壊しの悪循環

犬のかゆみで受診すべきなのは、掻き壊して赤み・脱毛・出血がある、繰り返す、飼い主にも発疹が出た、などのときです。次のサインをチェックしてください。

  • 掻き壊して、赤み・脱毛・出血・じくじくがある
  • 皮膚が黒ずむ・ゴワつく、独特のにおいがある
  • なかなか治まらない、治っても繰り返す
  • フケが急に増えた、発疹やかさぶたが出た
  • 飼い主や家族にも、かゆみ・発疹が出た(人にうつる病気の疑い)
  • 元気・食欲が落ちる、眠れないほど掻く

かゆみで気をつけたいのが、「掻き壊しの悪循環」です。かゆくて掻く→皮膚が傷つく→もっとかゆくなる→さらに掻く……と、どんどん悪化し、傷から細菌が入って、二次感染(膿皮症)を起こすことも。だからこそ、放置せず、早めに原因に対処することが大切です。かゆみが強いとき、掻き壊しを防ぐエリザベスカラーなどは、獣医師に相談のうえ使いましょう。

家庭でできること・やってはいけないこと

家庭でできること・やってはいけないこと

犬のかゆみに家庭でできるのは、主にノミ予防と、皮膚の清潔を保つことが中心です。ノミ・マダニの予防(かゆみの多くを防げます)、皮膚を清潔・適度な保湿に保つ、寝床や部屋を清潔にする(ノミやハウスダスト対策)、など。シャンプーは、獣医師の指示に沿って(薬用シャンプーを自己判断で選ばない)。食物アレルギーが疑われる場合の食事の見直しも、必ず獣医師と相談して行います。

そして、絶対にやってはいけないのが、人間用の塗り薬や飲み薬、ステロイドを、自己判断で使うこと。もし、かゆみの原因が感染症だった場合、ステロイドで免疫が抑えられて、かえって悪化することがあります。舐めて口に入る危険もあります。また、市販のかゆみ止めで、その場をごまかすのも、原因が隠れて悪化・慢性化するもと。掻き壊しを放っておくのも、悪循環を招きます。かゆみは、原因を調べて、その子に合った治療をすることが、いちばんの近道。とくに、繰り返すかゆみ(アレルギー)は、「完全に治す」より、「うまく付き合い、根本を管理していく」もの、と考えて、獣医師と、長く付き合っていきましょう。

まとめ

犬が体をかゆがる原因は、ノミ(1匹でも激しいかゆみ)、疥癬(人にもうつる)、アトピーや食物アレルギー、細菌やマラセチアの皮膚炎、乾燥など、さまざまです。かゆがる場所も手がかりで、腰〜背中はノミ、耳の縁や肘は疥癬、足先はアレルギー、といった具合。とくに、疥癬や皮膚糸状菌症は、人にもうつるので、犬がかゆがり、飼い主にも発疹が出たら、すぐ受診を。掻き壊すと、悪循環で二次感染を招くので、早めの対処が大切です。家庭では、ノミ予防と清潔を心がけ、シャンプーや食事の見直しは獣医師と相談を。人間用の薬やステロイドの自己判断使用、市販薬でのごまかしはNG。とくに、繰り返すかゆみ(アレルギー)は、根本の管理が大切なので、獣医師と長く付き合っていきましょう。

「犬 かゆがる」についてのFAQ

Q. 犬が急に、体をかゆがりだしました。原因は何でしょうか?

A. さまざまな原因が考えられます。急なかゆみで、まず疑いたいのが、ノミ。とくにノミアレルギー性皮膚炎は、たった1匹に刺されただけでも、激しくかゆがることがあります。腰から背中、しっぽの付け根をかゆがり、黒い粒(ノミの糞)が見られたら、ノミの可能性が高いです。ほかにも、疥癬(ヒゼンダニ・人にもうつる)、アレルギー、皮膚の感染、乾燥、接触性皮膚炎などが原因になります。かゆがる場所や、フケ・赤み・においの有無が、見分けの手がかりに。掻き壊して赤くなる、なかなか治まらない、飼い主にもかゆみが出た、というときは、動物病院を受診してください。原因に合った対処が大切です。

Q. 犬のかゆみに、市販薬や人間用の薬を使ってもいいですか?

A. 自己判断では使わないでください。とくに、人間用の塗り薬・飲み薬・ステロイド(かゆみ止めの軟膏など)を、自己判断で使うのは危険です。もし、かゆみの原因が、細菌やカビの感染だった場合、ステロイドで免疫が抑えられて、かえって悪化してしまうことがあります。犬が舐めて、口に入る危険もあります。また、市販のかゆみ止めで、その場をごまかすと、本当の原因が隠れて、悪化・慢性化するもとに。かゆみは、原因によって、必要な治療がまったく違います。まずは、動物病院で原因を調べてもらい、その子に合った薬や治療を、獣医師に処方してもらいましょう。それが、遠回りのようで、いちばんの近道です。

Q. 犬のかゆみは、人にもうつりますか?

A. うつるものがあります。代表的なのが、「疥癬(ヒゼンダニ)」と「皮膚糸状菌症(カビ)」です。疥癬は、激しいかゆみをともなう皮膚病で、伝染性が強く、人にうつると、腕・脚・お腹などに、赤いブツブツ(発疹)が出ます。皮膚糸状菌症は、円形の脱毛やフケをともない、これも人にうつります。犬が急にひどくかゆがり、同時に、飼い主さんや家族にも、かゆみや発疹が出た、というときは、これらの病気を疑ってください。すぐに動物病院を受診して犬を治療するとともに、人の側も皮膚科を受診しましょう。タオルや寝具を介して広がることもあるので、清潔を保つことも大切です。

Q. かゆみが、治っても何度も繰り返します。なぜですか?

A. 繰り返すかゆみは、アレルギー(アトピー性皮膚炎や食物アレルギー)が背景にあることが多いです。アトピーは、ハウスダストや花粉などの環境アレルゲンに反応するもので、季節性があったり、顔・足先・お腹をかゆがったりします。食物アレルギーは、特定の食べ物に反応します。これらは、その場のかゆみを抑えても、根本のアレルギーが管理されていないと、また繰り返してしまいます。アレルギーは、「完全に治す」というより、「うまく付き合い、コントロールしていく」もの。動物病院で、原因を調べ(食物なら除去食試験など)、その子に合った管理方法を、獣医師と一緒に見つけていくことが大切です。長く付き合う心づもりで、取り組みましょう。

本記事は、編集部や飼い主自身の経験・見聞きした情報をもとにまとめたものです。執筆者は獣医師ではありません。ペットの健康・病気・体調に関することは症状や個体差によって適切な対応が異なります。気になる症状がある場合や判断に迷うときは、必ずかかりつけの獣医師にご相談ください。

この記事を書いた人

柴犬のシロと暮らして10年。ペットホテル選びで何度も失敗した経験から、このメディアを立ち上げました。愛犬が安心して過ごせる預け先を、飼い主さんと一緒に探していきます。