犬の抜け毛が多いのは病気?換毛期と病的な脱毛の見分けをイメージできる記事のメイン画像

犬の抜け毛の多くは、季節の変わり目に毛が生え変わる「換毛期」による、正常なものです。とくに、毛が二重構造の犬種では、大量に抜けます。一方で、地肌が見えるほど抜ける、かゆみや赤みをともなう、というときは、病気の脱毛のサインのことも。この記事では、犬の抜け毛の見分け方と、換毛期のケア、受診の目安を解説します。ブラッシングのたびにごっそり抜けて心配な飼い主さんは、確認してみてください。

犬の抜け毛が多い|換毛期は正常

犬の抜け毛が多い|換毛期は正常

犬の抜け毛が多いのは、多くの場合、季節ごとに毛が生え変わる「換毛期」による正常なものです。多くの犬は、春(初夏にかけて)と秋(初冬にかけて)の、年2回、古い毛が抜けて、季節に合った毛に生え変わります。これは自然なことで、心配いりません。

抜け毛の量は、毛の構造で大きく変わります。

  • ダブルコートの犬種…上毛と下毛(アンダーコート)の二重構造。換毛期に、下毛がごっそり抜けます。柴犬、コーギー、ゴールデン・レトリバー、ハスキー、ポメラニアン、ラブラドール、パグ、シェットランド・シープドッグなど
  • シングルコートの犬種…下毛がなく、季節性の換毛期が目立たず、抜けにくい。トイプードル、マルチーズ、ヨークシャー・テリア、シーズーなど

正常な換毛期の抜け毛は、全身から均一に抜け、地肌は見えず、かゆみ・赤み・フケ・においがなく、毛づやもよいのが特徴。ダブルコートの子が、換毛期にたくさん抜けるのは、心配のいらないことがほとんどです。換毛期がいつ来るかは、換毛期の時期と対策もあわせてご覧ください。

換毛期の抜け毛と病気の脱毛の違い

換毛期の抜け毛と病気の脱毛の違い

換毛期の抜け毛と病気の脱毛は、抜け方と皮膚の状態で見分けられます。正常な換毛期との違いを、押さえましょう。

  • 正常な換毛期…全身に均一・地肌は見えない・皮膚はきれい・かゆがらない・春秋の季節性
  • 病気を疑う脱毛…部分的・左右対称に、地肌が見えるほど抜ける、円形に抜ける、かゆみ・赤み・フケ・かさぶた・においをともなう、皮膚が黒ずむ、季節と関係なく急にごっそり抜ける、なめ壊し・かき壊した部位が抜ける

「均一・地肌が見えない・皮膚がきれい」なら正常、「偏り・地肌が見える・皮膚に異常」なら病気を疑う、と考えると分かりやすいでしょう。とくに、次に見る「左右対称の脱毛」「円形の脱毛」は、注意したいサインです。

病気の脱毛で考えられる主な原因

病気の脱毛で考えられる主な原因

病気の脱毛の原因は、脱毛の出方から、あたりをつけられます。アレルギーや寄生虫、皮膚炎、ホルモンの病気などが代表的です。

脱毛の出方・様子考えられる病気
強いかゆみ・赤み・かき壊しアレルギー、寄生虫(ノミ・疥癬・毛包虫)
じくじく・におい・かさぶた細菌の皮膚炎(膿皮症)、マラセチア皮膚炎
円形の脱毛・フケ(かゆみは弱め)皮膚糸状菌症(カビ・人にもうつる)
左右対称・かゆみが少ない・全身症状ホルモンの病気(甲状腺・クッシング)

とくに知っておきたいのが2つ。ひとつは、左右対称に、かゆみが少なく抜ける脱毛。これは、甲状腺機能低下症やクッシング症候群など、ホルモンの病気のサインのことがあります。かゆくないので見逃されがちですが、元気の低下、多飲多尿、体重の変化、皮膚の黒ずみなどをともなうことも。もうひとつは、円形の脱毛。これは、皮膚糸状菌症(カビ)の可能性があり、人にもうつるので注意が必要です。また、足先などをなめ壊して毛が抜けるのは、アレルギーやストレスのサインのことがあります。強いかゆみをともなうときは、体をかゆがる原因の見分けも参考にしてください。

柴田ママ
柴田ママ@shibata_mama
執筆者のひとこと

散歩仲間の柴犬は、換毛期になると「毛が吹雪みたい」と言うほど抜けるそうです。でも全身から均一で、皮膚はきれい。一方、別の子はお腹が左右対称に薄くなり、受診したらホルモンの病気でした。同じ「抜ける」でも、全身に均一なのと、一部が対称に薄いのとでは、まったく意味が違うんだと知りました。

犬の抜け毛|受診の目安と換毛期ケア

犬の抜け毛|受診の目安と換毛期ケア

犬の抜け毛で受診すべきなのは、病気の脱毛を疑う次のようなサインがあるときです。あてはまるときは、早めに動物病院へ。

  • 地肌が見えるほど抜ける、円形の脱毛、左右対称に薄くなる
  • かゆみ・赤み・フケ・かさぶた・におい・皮膚の黒ずみをともなう
  • なめ壊し・かき壊しがある
  • 季節と関係なく、急に大量に抜ける・抜け方が急に変わった
  • 元気・食欲の低下、体重の変化、多飲多尿など、全身の症状をともなう

一方、正常な換毛期の抜け毛には、家庭のケアで対応しましょう。基本はこまめなブラッシング。ダブルコートの子は、アンダーコート(下毛)用のブラシで、抜けた毛を取り除きます。抜け毛を放っておくと、毛玉になり、皮膚が蒸れて皮膚炎の原因になることも。あわせて、シャンプーで抜け毛を落とす(洗いすぎには注意)、栄養(良質なタンパク質と、必須脂肪酸〈オメガ3・6〉、亜鉛などで、健康な毛に)、お部屋の掃除・換気を。ブラッシングで先に抜いておくと、家の中に飛び散る毛も、ぐっと減らせます。換毛期の抜け毛か、病気の脱毛か、迷ったら受診してください。

犬の抜け毛まとめ|換毛期と病気の脱毛

犬の抜け毛の多くは、春と秋の年2回の「換毛期」による、正常なものです。とくに、上毛と下毛の二重構造をもつダブルコートの犬種(柴犬、コーギー、ゴールデンなど)は、換毛期に大量に抜けます。正常な抜け毛は、全身に均一で、地肌は見えず、皮膚もきれいで、かゆがりません。一方、部分的・左右対称に地肌が見えるほど抜ける、円形に抜ける、かゆみ・赤み・フケ・においをともなう、季節と無関係に急に抜ける、というときは、病気の脱毛を疑います。原因は、アレルギーや寄生虫、皮膚炎、そしてとくに、左右対称でかゆみが少ないホルモンの病気、円形で人にもうつる皮膚糸状菌症(カビ)など。全身症状をともなう脱毛は、早めに受診してください。換毛期のケアは、こまめなブラッシング、シャンプー、栄養、掃除が基本です。

「犬 抜け毛 多い」についてのよくある質問

Q. 犬の抜け毛が多いのですが、正常でしょうか?

A. 春と秋の換毛期に、抜け毛が増えるのは、正常なことです。とくに、柴犬やコーギー、ゴールデン・レトリバーなど、毛が二重構造のダブルコートの犬種は、換毛期に、驚くほどたくさん抜けます。正常な抜け毛は、全身から均一に抜け、地肌は見えず、皮膚もきれいで、かゆがりません。一方、注意したいのは、部分的・左右対称に地肌が見えるほど抜ける、円形に抜ける、かゆみ・赤み・フケ・においをともなう、季節と関係なく急に抜ける、という場合。これらは、病気の脱毛のサインのことがあります。「均一で皮膚がきれい」なら正常、「偏りがあり皮膚に異常」なら受診、と考えましょう。

Q. 左右対称に、毛が薄くなってきました。なぜですか?

A. 左右対称に、かゆみが少なく毛が薄くなる脱毛は、ホルモンの病気のサインのことがあります。代表的なのが、甲状腺機能低下症や、クッシング症候群など。これらは、体の左右で対称に、お腹や体幹などの毛が薄くなるのが特徴です。かゆがらないため、「なんとなく毛が薄い」と見過ごされがちですが、元気の低下、寒がる、体重の変化、多飲多尿、皮膚の黒ずみといった、全身のサインをともなうこともあります。換毛期の抜け毛とは、意味がまったく違います。左右対称の脱毛に気づいたら、一度、動物病院で、ホルモンの検査を含めて相談してください。

Q. 円形に毛が抜けています。うつることはありますか?

A. 円形に毛が抜け、フケやかさぶたをともなうときは、皮膚糸状菌症(皮膚のカビ)の可能性があります。これは、人にもうつる(人と動物の共通感染症)ので、注意が必要です。犬に円形の脱毛があり、同時に、飼い主さんや家族の皮膚にも、赤く輪のような発疹が出た、というときは、この病気を疑ってください。動物病院で犬を治療するとともに、人の側も皮膚科を受診しましょう。カビは、タオルや寝具などを介して広がることもあるので、清潔を保つことも大切です。円形の脱毛は、自己判断せず、早めに動物病院で調べてもらいましょう。

Q. 換毛期の抜け毛を、減らす方法はありますか?

A. 抜け毛自体をなくすことはできませんが、こまめなブラッシングで、飛び散る量を大きく減らせます。ダブルコートの犬種は、アンダーコート(下毛)用のブラシで、抜けた下毛を取り除きましょう。ブラッシングで先に抜いておくと、家の中に落ちる毛が、ぐっと減ります。抜け毛を放置すると、毛玉になって、皮膚が蒸れ、皮膚炎の原因になることもあるので、換毛期はとくにこまめに。あわせて、シャンプーで抜け毛を落とす(洗いすぎには注意)、良質なタンパク質や必須脂肪酸を含む食事で健康な毛を保つ、お部屋の掃除や換気を。ただし、地肌が見える・かゆがる・皮膚に異常があるときは、換毛ではなく病気のことも。受診してください。

本記事は、編集部や飼い主自身の経験・見聞きした情報をもとにまとめたものです。執筆者は獣医師ではありません。ペットの健康・病気・体調に関することは症状や個体差によって適切な対応が異なります。気になる症状がある場合や判断に迷うときは、必ずかかりつけの獣医師にご相談ください。

この記事を書いた人

柴犬のシロと暮らして10年。ペットホテル選びで何度も失敗した経験から、このメディアを立ち上げました。愛犬が安心して過ごせる預け先を、飼い主さんと一緒に探していきます。