犬の歯ぎしり(ギリギリ)はなぜ?原因と受診の目安をイメージできる記事のメイン画像

犬の歯ぎしり(ギリギリ・カチカチ)は、歯や口、お腹の不調など、なんらかのサインであることが少なくありません。人の歯ぎしりは眠っている間の癖であることが多いものですが、犬の場合、とくに起きているときの歯ぎしりは、少し意味が異なります。犬が歯ぎしりをする理由と、様子見でよい場合・受診したい場合を解説します。

犬が歯ぎしり(ギリギリ)をする理由

犬が歯ぎしり(ギリギリ)をする理由

犬の歯ぎしりは、「様子を見ていい生理的なもの」より、「注意したい不調のサイン」であることが多いのが特徴です。主な理由を見てみましょう。

  • 歯や口のトラブル…歯周病、口内炎、歯の破折(割れ・欠け)、噛み合わせの不正など。口の痛みや違和感から、歯をこすり合わせます。いちばん多い原因のひとつです
  • 子犬の歯の生え変わり…生後4〜7か月ごろの子犬が、むずがゆさから歯を鳴らすことも。これは一時的で、多くは心配いりません
  • お腹の不調・吐き気・痛み…消化器の違和感や、体のどこかの痛みから、歯をくいしばることがあります
  • ストレス・不安…緊張や不安を、自分で落ち着けようとして
  • 神経の問題…全身の震えや、顎のガクガクをともなうカチカチは、てんかんなど神経の病気のサインのことも

寒さや興奮で、小刻みに歯が鳴る程度なら、生理的なことも。ですが、起きているときのギリギリという歯ぎしりは、不調のサインのことが多いので、放っておかず、様子をよく見てあげましょう。

歯ぎしりと紛らわしい「別の現象」

歯ぎしりと紛らわしい「別の現象」

「歯ぎしり」と思っていたら、じつは別の現象だった、ということもあります。混同しやすいものを整理しておきましょう。

  • 咳で歯が当たっている…ケンネルコフ(犬の風邪)やフィラリア症などの咳で、カチカチと歯が当たって鳴ることがあります。これは歯ぎしりではなく「咳」なので、対応が変わります
  • 寒さ・興奮での震え…体の震えにつれて、歯がカチカチ鳴るもの。寒い日や、うれしくて興奮したときに見られます
  • 顎のガクガク・全身の震え…歯の音だけでなく、顎や全身が震えているなら、神経の問題のことも
  • 子犬の生え変わり…前述のとおり、一時的なむずがゆさによるもの

とくに、咳と歯ぎしりは、原因も対応もまったく違います。ゼーゼー・ケホケホという咳をともなうなら、歯ではなく、呼吸器の不調を疑ってください。咳の見分けは、犬が咳をするの記事も参考になります。判断に迷うときは、その様子を動画に撮っておくと、獣医師に伝わりやすくなります。

歯ぎしりの受診の目安|放置するとどうなる?

歯ぎしりの受診の目安|放置するとどうなる?

次のようなサインをともなう歯ぎしりは、動物病院を受診してください。

  • 頻繁に、歯ぎしりを繰り返す
  • よだれが多い、食欲が落ちた、食べ方がおかしい
  • 口を気にする、前足で口をこする、口臭が強い
  • 全身の震え、顎のガクガク、ふらつきをともなう

とくに、震えやふらつきをともなうときは、神経の病気の可能性があり、急ぎます。また、原因が歯や口のトラブルの場合、放っておくと、歯がすり減ったり、割れたり、歯周病が進んだりして、痛みが強くなっていきます。さらに、歯ぎしりの陰にある本当の病気(口や消化器の不調)の発見が遅れることも。「そのうち治るかな」と様子を見すぎず、気になる歯ぎしりは、早めに相談するのが安心です。歯周病については犬の歯周病と歯磨き、口臭が気になるときは犬の口臭の記事もあわせてご覧ください。

柴田ママ
柴田ママ@shibata_mama
執筆者のひとこと

知人の老犬が、ギリギリと歯ぎしりをするようになり、「年のせいかな」と見ていたら、じつは奥歯が悪くなっていたそうです。治療して痛みが取れたら、歯ぎしりもぴたりと止まったのだとか。歯ぎしりは、口の中からのSOSのことがある。あの話を聞いてから、愛犬の歯の音も、軽く見ないようにしています。

犬の歯ぎしりの原因と受診|まとめ

犬の歯ぎしり(ギリギリ・カチカチ)の原因は、歯や口のトラブル(歯周病・口内炎・歯の破折・噛み合わせの不正)、子犬の歯の生え変わり、お腹の不調や痛み、ストレス、神経の問題など、さまざまです。人と違い、犬の歯ぎしり、とくに起きているときのものは、なんらかの不調のサインであることが多いのが特徴。寒さや興奮での小刻みな音や、子犬の生え変わりは一時的なことが多いですが、それ以外は注意が必要です。また、咳で歯が当たる(ケンネルコフなど)、寒さの震え、といった紛らわしい現象との区別も大切。頻繁な歯ぎしり、よだれ・食欲低下・口を気にする・口臭、そして震えやふらつきをともなうときは、受診してください。放っておくと、歯の摩耗や、原因の病気の発見の遅れにつながります。

「犬 歯ぎしり」についてのFAQ

Q. 犬が歯ぎしりをします。様子を見ても大丈夫でしょうか?

A. 人の歯ぎしりは癖のことが多いですが、犬の場合、とくに起きているときのギリギリという歯ぎしりは、歯や口の痛み、お腹の不調など、なんらかのサインであることが多いです。ですので、「そのうち治るかな」と様子を見すぎるのは、おすすめしません。とくに、よだれや食欲の低下、口を気にする、口臭、震えなどをともなうときは、受診を。ただし、寒さや興奮で小刻みに歯が鳴る程度や、子犬の生え変わり期の一時的なものは、心配が少ないことが多いです。

Q. 歯ぎしりの、いちばん多い原因は何ですか?

A. 歯や口のトラブルが、多い原因のひとつです。歯周病、口内炎、歯の破折(割れ・欠け)、噛み合わせの不正などで、口に痛みや違和感があると、犬は歯をこすり合わせることがあります。とくにシニア犬は、歯周病が進んでいることも多いので注意。ほかに、お腹の不調や吐き気、体の痛み、ストレスなども原因になります。原因によって対応が変わるので、頻繁な歯ぎしりや、口を気にする様子があれば、動物病院で口の中を診てもらうと安心です。

Q. 歯ぎしりのような音ですが、咳のときにも歯が鳴る気がします。

A. よい観察です。じつは、ケンネルコフ(犬の風邪)やフィラリア症などの「咳」のときに、カチカチと歯が当たって鳴ることがあり、歯ぎしりと紛らわしいのです。これは歯の問題ではなく、呼吸器の不調なので、対応がまったく変わります。ゼーゼー・ケホケホという咳や、苦しそうな呼吸をともなうなら、歯ぎしりではなく咳を疑ってください。判断に迷うときは、その様子を動画に撮って、動物病院で見せると、正確に判断してもらえます。

Q. 歯ぎしりを放っておくと、どうなりますか?

A. 放置は、おすすめできません。まず、歯ぎしり自体で、歯がすり減ったり、割れたり、歯周病が進んだりして、口の状態が悪化していきます。さらに心配なのが、歯ぎしりの陰にある「本当の原因」の発見が遅れること。歯や口の病気、お腹の不調、神経の問題などが隠れている場合、対応が遅れると、犬がつらい思いをする時間が長くなってしまいます。歯ぎしりは、犬が言葉にできない「痛い・気持ち悪い」のサインのことが多いもの。気になる歯ぎしりは、早めに受診してあげてください。

本記事は、編集部や飼い主自身の経験・見聞きした情報をもとにまとめたものです。執筆者は獣医師ではありません。ペットの健康・病気・体調に関することは症状や個体差によって適切な対応が異なります。気になる症状がある場合や判断に迷うときは、必ずかかりつけの獣医師にご相談ください。

この記事を書いた人

柴犬のシロと暮らして10年。ペットホテル選びで何度も失敗した経験から、このメディアを立ち上げました。愛犬が安心して過ごせる預け先を、飼い主さんと一緒に探していきます。