犬のトイレのしつけ|叱らず褒めるコツと急な粗相の注意をイメージできる記事のメイン画像

犬のトイレのしつけは、失敗を叱らず、成功を褒めて教えるのが基本です。じつは、失敗は、犬のせいではなく、教え方や環境の問題のことがほとんど。そして、いちばん大切なのは、失敗を叱らず、成功を褒めて教えることです。犬のトイレのしつけの、正しい進め方と、よくある失敗の対処、そして「急に粗相が増えたら病気を疑う」という視点まで、順に見ていきます。

犬のトイレのしつけの基本|叱らず褒めるコツ

犬のトイレのしつけの基本|叱らず褒めるコツ

トイレのしつけの大原則は、正しい場所でできたら褒める(ごほうび)、失敗は叱らないこと。これは、今のしつけの、動かせない前提です。そして、失敗は、犬のせいではなく、飼い主が排泄のタイミングを外した、トイレの環境が合っていない、という「環境の問題」と考えます。「わざと」や「頭が悪い」ではありません。

なぜ、叱ってはいけないのか。理由があります。叱ると、犬は「排泄する」こと自体が悪いと勘違いして、隠れてするようになったり、排泄を我慢したりします。また、犬は、時間が経った行為と叱責を結びつけられないので、後から叱っても、何で叱られたか理解できません。さらに、叱られることで、かえって「かまってもらえた」と感じる子もいます。つまり、叱るのは、逆効果なのです。「できたら褒める」だけに、集中しましょう。

犬のトイレトレーニングの進め方の手順

犬のトイレトレーニングの進め方の手順

トイレトレーニングの進め方は、環境づくりからタイミング誘導、掃除までが基本の流れです。迎えた初日から始めると、失敗の習慣がつきにくくなります。

  • ①環境を整える…サークルの中に、大きめのトイレトレーとシートを。寝床や食器とは、離して置きます
  • ②タイミングで、トイレに誘導する…排泄しやすいのは、起床後・食後・遊んだ後・寝る前。このタイミングで、トイレに連れて行きます
  • ③しそうなサインを見逃さない…床のにおいを嗅ぐ、くるくる回る、そわそわ落ち着かない。これらは、排泄の前ぶれ。すぐトイレへ
  • ④できたら、すぐ大げさに褒める…排泄した「直後」に、褒めて、おやつを。タイミングが命です
  • ⑤失敗しても、叱らず淡々と片付ける…無言で処理し、反応を与えない
  • ⑥においを残さず掃除…ペット用の消臭剤で。においが残ると、同じ場所で繰り返します

最初は、トイレを置いた1部屋だけで。成功率が安定してきたら、少しずつ、行動範囲を広げていきましょう。なお、子犬は、月齢が低いほど、おしっこを我慢できません(膀胱が未発達)。失敗して当たり前、と考えて、回数を前提に、環境を整えてあげてください。

トイレを覚えない原因とやってはいけないこと

トイレを覚えない原因とやってはいけないこと

トイレをなかなか覚えないときは、場所・シート・数・においの残りの4点を見直します。

  • トイレの場所が悪い…寝床や食器の近く、人の出入りが多い落ち着かない場所を、犬は嫌います。静かで行きやすい場所へ
  • シートの好みやサイズ…トレーが体に対して小さい、シートの素材が合わない。大きめや、別の素材を試す
  • トイレの数が足りない…複数置いて、どこでも成功できる状態に。慣れたら減らします
  • においが残っている…失敗した場所は、徹底的に消臭する

そして、絶対にやってはいけないのが、失敗を叱ること。鼻を押しつける、叩く、後から怒る、といった対応は、恐怖を与えるだけで、隠れてする・我慢する、という悪循環を生み、逆効果です。犬は「わざと嫌がらせ」をすることはありません。失敗が続くときは、犬を責めるのではなく、「環境のどこを変えればいいか」を、考えてあげてください。

柴田ママ
柴田ママ@shibata_mama
執筆者のひとこと

友人が、子犬のトイレの失敗を叱っていたら、隠れて排泄するようになって困っていました。「叱ると逆効果で、隠れちゃうらしいよ」と伝え、成功したときだけ褒めるようにしてもらったら、少しずつ覚えたそうです。失敗を叱らないって、分かっていても、つい、やってしまいがち。ぐっとこらえるのが大事なんですね。

急な粗相の増加は病気のサインかも|注意点

急な粗相の増加は病気のサインかも|注意点

急に粗相が増えたときは、しつけの問題ではなく、病気のサインのことがあります。今までトイレができていたのに急に失敗が増えた場合は、とくに注意してください。次のような場合は、注意してください。

  • 膀胱炎や結石…頻尿、少量を何度も、血が混じる、排尿時に痛がる、トイレに行くのに出ない
  • 多飲多尿(糖尿病・腎臓病・ホルモンの病気など)…水をたくさん飲み、おしっこの量が急に増えた
  • シニアの認知症…トイレの場所が分からなくなる、夜鳴きや徘徊をともなう
  • 足腰の痛み(関節炎・椎間板ヘルニア)…トイレまで間に合わない、段差を越えられない

これらは、叱っても、しつけ直しても、解決しません。血尿・血便、トイレに行くのに出ない、おしっこのにおいや量・色がいつもと違う、元気や食欲の低下、排尿時に痛がる、といったサインがあれば、早めに動物病院を受診してください。「しつけの失敗」と思い込まず、体のサインを見逃さないであげましょう。急な粗相の見分けは犬がトイレを失敗するようになった理由、頻尿が続くときは犬のおしっこの回数が多いの記事も参考になります。なお、成犬や保護犬でも、トイレトレーニングは、やり直せます。子犬より排泄の回数が少ないぶん、タイミングをつかめば、覚えやすい面も。過去に叱られた経験のある子は、なおさら、叱らず・成功を褒める、を徹底してください。

犬のトイレのしつけ|要点のまとめ

犬のトイレのしつけで、押さえておきたいことを、整理します。第一に、基本は「叱らず、成功を褒める」。失敗は犬のせいではなく、タイミングや環境の問題で、叱ると隠れる・我慢する悪循環になります。第二に、進め方は、サークルに大きめトイレを用意し、起床後・食後・遊んだ後・寝る前に誘導、においを嗅ぐ・くるくる回るサインを見てトイレへ、できたら直後に褒める、失敗は淡々と片付けてにおいを消す。第三に、覚えないときは、トイレの場所・シート・数・においの残りをチェック。鼻を押しつける・後から叱る、はNGです。そして第四に、今までできていたのに急に粗相が増えたら、膀胱炎や多飲多尿、認知症など、病気のサインのことも。血尿や頻尿、出にくさをともなうときは、受診してください。成犬・保護犬でも、やり直せます。

「犬 トイレ しつけ」についてのFAQ

Q. 子犬がなかなかトイレを覚えません。どうすれば?

A. まず、子犬は、月齢が低いほど、おしっこを我慢できない(膀胱が未発達)ので、失敗して当たり前、と考えてください。コツは、排泄しやすいタイミング(起床後・食後・遊んだ後・寝る前)に、トイレへ誘導すること。床のにおいを嗅ぐ、くるくる回る、そわそわする、というサインが出たら、すぐトイレへ。そして、できたら「直後」に、大げさに褒めて、おやつをあげます。失敗しても、叱らず、淡々と片付けて、においを残さず掃除を(においが残ると繰り返します)。覚えないときは、トイレの場所(静かな所か)、シートの大きさ・素材、数を見直しましょう。叱るのは逆効果。成功だけを褒める、を根気よく続けてください。

Q. トイレを失敗したとき、叱ってもいいですか?

A. 叱らないでください。逆効果になります。理由は3つ。ひとつめは、叱ると、犬は「排泄すること自体」が悪いと勘違いして、隠れてしたり、我慢したりするようになること。ふたつめは、犬は、時間が経った行為と叱責を結びつけられないので、後から叱っても、何で叱られたか理解できないこと。みっつめは、叱られることで、かえって「かまってもらえた」と感じる子もいること。鼻を押しつける、叩く、といった体罰は、恐怖を与えるだけで、より逆効果です。正しいのは、失敗は無言で淡々と片付け、成功したときだけ、しっかり褒めること。「できたら良いことがある」と、犬に教えていきましょう。

Q. 今までできていたのに、急にトイレを失敗するようになりました。

A. それは、しつけの問題ではなく、病気のサインのことがあります。今までできていたのに、急に粗相が増えたときは、注意してください。考えられるのは、膀胱炎や結石(頻尿、少量を何度も、血が混じる、痛がる、出にくい)、多飲多尿(糖尿病・腎臓病・ホルモンの病気で、水をよく飲み、尿量が増える)、シニアでは認知症(トイレの場所が分からなくなる)、足腰の痛み(トイレまで間に合わない)など。これらは、叱っても、しつけ直しても、解決しません。血尿や頻尿、トイレに行くのに出ない、おしっこのにおいや量の変化、元気・食欲の低下をともなうときは、早めに動物病院を受診してください。体のサインを、見逃さないことが大切です。

Q. 成犬や保護犬でも、トイレは覚えられますか?

A. はい、成犬や保護犬でも、トイレトレーニングは、やり直せます。「もう大人だから無理」ということはありません。むしろ、成犬は、子犬より排泄の回数が少なめなので、朝夕など、タイミングをつかめば、覚えやすい面もあります。進め方は、子犬と同じ。排泄しやすいタイミングで誘導し、できたら褒める、失敗は叱らず片付ける、を続けます。とくに、過去に叱られた経験のある保護犬は、排泄を隠す癖がついていることがあるので、なおさら、叱らず、成功を褒める、を徹底してください。焦らず、その子のペースで。なお、オスが少量をあちこちにするのは、トイレの失敗ではなく「マーキング」のことも(詳しくは犬がマーキングする)。その場合は、対応が変わります。

本記事は、編集部や飼い主自身の経験・見聞きした情報をもとにまとめたものです。執筆者は獣医師ではありません。ペットの健康・病気・体調に関することは症状や個体差によって適切な対応が異なります。気になる症状がある場合や判断に迷うときは、必ずかかりつけの獣医師にご相談ください。

この記事を書いた人

柴犬のシロと暮らして10年。ペットホテル選びで何度も失敗した経験から、このメディアを立ち上げました。愛犬が安心して過ごせる預け先を、飼い主さんと一緒に探していきます。